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Jリーグ 12年前

日本の名GM鈴木満が語る『鹿島の流儀』

text by 宇都宮徹壱 photo by Kenzaburo Matsuoka


「ジーコを知らない世代」に哲学を継承していく【写真:松岡健三郎】

鹿島が日本人監督を招聘する可能性

 強化部長になって17シーズン目。鈴木はかつてない覚悟をもって、新シーズンに臨んでいた。現在のチームが、明らかな過渡期を迎えていると、強く実感したからである。

「90年代は秋田(豊)や本田(泰人)、相馬(直樹)、名良橋(晃)が頑張ってくれました。それが01年くらいで、彼らのピークが過ぎてしまいました。その頃が最初の節目だったんですが、ちょうど小笠原(満男)をはじめ、ポテンシャルの高い若い選手たちが台頭してきた。その彼らもベテランになり、今は第2の過渡期が来ているのだと思っています」

 クラブOBであるジョルジーニョ体制となって最初のシーズン、鹿島は序盤のスタートダッシュに苦しみ、一時は降格圏内をさまよった。その後はやや持ち直したものの、この取材時点(8月27日)の順位は13位。3シーズンぶりのリーグタイトル奪回は、かなり厳しくなったと言わざるを得ない。

 そんな中、U-23日本代表監督として、先のロンドン五輪でチームをベスト4に導いた、関塚隆の次期監督就任が一部メディアで取沙汰された。関塚は一時期(95年に清水エスパルスでコーチ)を除き、93年から03年まで鹿島のヘッドコーチを務め、99年には代行監督を務めたこともある。これまでずっとブラジル人監督路線を踏襲してきた鹿島が、もし日本人監督を就任させるとするならば、関塚をおいてほかにいないのではないか。その点について質問すると、鈴木はこう明言した。

「関塚はいつも候補にはしています。二度、オファーしたという事実もありますし。ただ、ここに合う日本人指導者が、どれだけいるんでしょうか。それくらいウチは独特なんですよ。よそのクラブとは違っている。ウチを理解できない人が入ってきて、果たして僕と上手くやっていけるのかと(笑)。まあ、サッカーそのものもそうですし、それに合わせたスカウティングだとか、選手の採用を進めていきましたから、今さら変えられないですしね」

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