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Jリーグ 12年前

セレッソ大阪監督レヴィー・クルピに聞く、アタッキングフットボールの真髄(前編)

text by 前田敏勝 photo by Kenzaburo Matsuoka


2012シーズンも途中からC大阪の指揮を執る、レヴィー・クルピ【写真:松岡健三郎】

戦術よりも大事な直感と想像力

――例えば、J2時代には香川と乾のコンビを作り上げ、昨年は家長、乾、清武という3シャドーが攻撃の軸になりました。そういう発想はどこから来ているのですか?

「シーズンを始めるにあたって、どういったメンバー編成でシーズンに臨めるかという部分にも関わってきます。そのなかで、先発で使っていきたい選手をイメージして、彼らの特長を活かすには、どういったフォーメーションが一番いいのか考えていくのです」

――レヴィー監督の戦術では、よく選手たちからも「選手に自由を与えてくれている」という話を聞きます。

「戦術的な部分で、我々にも規律というものは、実は結構あります。そして、クリエイティブな部分を持っている選手がいるということが(攻撃に自由を与える)前提になります。ただし、大事なのは選手の決断力であって、約束事があっても、自分の発想を大事にすること。そのなかで、ミスをすることも選手の権利だと思っていますし、戦術的な約束事がいくつかあるなかでも、それに縛られることなく、自分の直感や想像力を、まずは大事にしてほしい」

――セレッソでは一貫して、フィジカルを活かすより、パスをつないでクリエイティブなサッカーを行っていますね。

「私も決して、フィジカル的なもの、パワフルさというのが、嫌いなわけではない。ただ、フィジカル的な強さだけで、技術がないというのが、好きではないのです。イングランドのようなサッカーよりも、スペインのように、パワーはないかもしれないが、技術がしっかりしている方を私は選びたい」

――ということは、レヴィー監督のサッカーというのは、日本人に合ったサッカーを志向しているということでしょうか?

「日本人が志向していける、日本代表が目指していけるサッカーだと思います。実際に代表が3シャドーを取り入れていることを考えると、そのようなサッカーを目指しているんじゃないかと思いますし。今の日本代表は1トップがいて、さらに、技術とスピードのある3シャドーがいる。前に4人がいて、攻撃的にすごくクオリティーが高いので、日本代表のパフォーマンスというのは、私は見ていてすごくいいなと思いますし、とても気に入っています」

【後編に続く】

初出:サッカー批評issue53

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