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Jリーグ 12年前

柏レイソル・田中順也が語るFWの個人戦術『インテリジェント・ストライカーの戦術眼』(前編)

text by 川本梅花 photo by Kenzaburo Matsuoka

レアンドロにボールを渡すのが一つの形

[図2]2011柏の攻撃パターン

①田中がボランチの位置まで下がる。②ボランチがボールを奪取し、田中にパス。このとき栗澤(大谷)、田中、レアンドロの3人が三角形となる。③田中はレアンドロにパス。④田中はレアンドロを追い越すように走る。⑤レアンドロがラストパス。

――誰かがボールを奪ったら一度レアンドロにボールを渡して、というのが柏の攻撃の1つの形ですよね。

「はい。レアンドロにボールが渡る瞬間に、全員で前にゴーという感じですね。相手のボランチのいるスペースでボールを展開されるとうちのDFがキツいんですよ。だから相手のボランチの位置まで僕が下がらないといけない。ボランチのタニさん(大谷秀和)かクリさん(栗澤僚一)が相手から奪う前に、ボランチのどちらかと僕とレアンドロで三角形を作っておくと、奪ったときにはスペースが空いていて僕かレアンドロがフリーになれるんです。僕がボールを受けることが多いんですが、ボールをもらったらすぐにターンしてレアンドロにパスを渡して、レアンドロを追い越して行くというイメージですね(図2)。」

――田中選手が中盤まで下がってボールをもらったときに、ネルシーニョ監督からは「レアンドロを探せ」と事前に言われたことがありますか?

「それは言われていないです。うちの形というか、やっていく中でレアンドロを探すようになりました。監督からいつも言われるのは守備のことで、『中盤でボールを持ったらミスするな』と。あそこでミスすると、ハーフタイムでも試合中でも、怒られます。あれは本当に恐いですよ」

――フォーメーションとシステムの話だけど、柏がポゼッションする時間が多いときには、守備の時間も少なくなるので4-4-2が4-2-3-1にならない。2トップが横並びになれるということ。そこで、攻撃がスムーズに運ばないときはどんな状況のとき?

「4-4-2の2トップがフラットになったときに、MFがサイドに高く上がってきて、4人の選手が横並びになってしまった際には一番停滞しますね。仙台戦(2011年・J1第19節0-0、第3節1-0)や、山形戦(2011年・J1第9節1-2、第29節1-0)がそうですね」

――レイソルは相手の弱点をつくのがうまい。つまり、相手がアクションを起こしたことに対する対応が優れている。レイソルのサッカーは、リアクションサッカーだと言われているけれども、田中選手はどう思います?

「監督は基本的に『自分たちがボールを支配して主導権を握って戦おう』と常に言っています」

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