躍動する乾、後手に回る長谷部
16分、落下してくるボールを競りに行ったボルフスブルクのボランチ、ジョズエの足の裏がフランクフルトの1トップ、オリビエ・オーシャンの腹部を直撃。このプレーにレッドカードが提示され、ボルフスブルクは数的不利を余儀なくされる。フランクフルトに2点目が入るのは、その直後のことだった。
これで得たFKをシュヴェグラーが素早く前方に蹴ると、抜け出した右サイドハーフのステファン・アイクナーがワンタッチでゴール前に折り返す。そこに走り込んできた乾が左足で蹴り込んで、フランクフルトがリードを広げた。
1人少ないボルフスブルクは4-3-2のような布陣で反撃の機会を窺ったが、エースのジエゴにボールが渡る機会が少なく、攻撃はポルトガル代表アタッカーのヴィエイリーニャのドリブル突破に頼るばかり。右MFに入った長谷部も乾とオツィブカの対応に追われ、なかなか攻撃に関与できなかった。
それでも31分、左サイドバックのマルセル・シェーファーのクロスに対し、ゴール前に飛び込んで右足を合わせたが、シュートは枠を越えてしまう。63分にベンチに下がった長谷部にとって、この場面がこの試合の唯一の見せ場だった。
後半に入っても、テンポの良いパス回しとスピーディな攻撃が光ったフランクフルトの前に、ボルフスブルクはほとんど攻め手が見出せなかった。
16分にジョズエが退場してしまったのは痛恨だったが、人数がイーブンの状態でもフランクフルトに押されていたのはたしか。順位の差はピッチ上でも表れてしまった。
9勝3分5敗で4位につけるフランクフルトに対し、ボルフスブルクは5勝4分8敗の15位。フォルクスワーゲン・アレーナで1勝しか挙げられないまま、ウインターブレイクを迎えることになった。ボルフスブルクの試練は、まだまだ続きそうだ。