日出ずる国からの新星。“香川2世”とされる3人だが…
ドイツ・ビルト紙が毎週発表しているブンデスリーガのベストイレブンに、今季はさまざまな日本人選手が名を連ねるようになった。第3節は清武弘嗣、第4節は乾貴士、第5節は宇佐美貴史がそれぞれ選出されている。
また、この3人は同紙が発表した「今季もっとも輝いている新加入選手11人」にもリストアップされた。大げさでも何でもなく、今の日本はかつてのブラジルのごとく、優秀な若手選手を輩出する新星の国(日出ずる国)として、ドイツでは認識されつつある。
その先駆者となったのは、昨季ドルトムントで活躍し、今季マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を果たした香川真司だ。小柄で線が細く、技術と敏捷性に優れた日本人の選手たち。彼らはブンデスリーガについて「フィジカルが強くて当たりが激しいが、自分の特長を出しやすいリーグ」という共通した感想を抱き、そして彼らのプレーもまた、現地ドイツにおける日本人選手のイメージとして浸透しつつある。
ただし、日本人という大きな見方をすれば同じタイプのサッカー選手に分類されるかもしれないが、ドイツで活躍する3人には香川との共通点が存在しつつも、それぞれが独自の技術とスタイルを持って戦っているのは明白だ。たとえメディアに「香川2世」という見出しを付けられても、乾は香川ではない。清武は香川ではない。宇佐美も香川ではない。
なぜ、彼らはドイツで活躍できているのか?
まずは香川という先駆者を軸に、3人それぞれが持っているフットボールの共通項と相違点を明らかにしてみよう。それにより、彼らのサッカーの奥深いところにある本質が少しずつ見えてくるはずだ。