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ビラノバ・バルサの未来【欧州サッカー批評 6】

text by photo by Kazuhito Yamada

カルロス・レシャックは全く心配していない

 サンドロ・ロセイ会長の相談役でもあるカルロス・レシャックは2001-02シーズンにティト・ビラノバをバルセロナに招聘した張本人でもある。指導者としてバルセロナに戻ったティトはカデテB(14歳)の監督を務めることとなるのだが、驚くべきことにその当時のチームにはメッシ、ピケ、セスクらがプレーしていた。そのカデテBは、おそらく100年以上あるクラブの歴史の中でも、同年代では最高のチームと言える。そして、ティトに関してレシャックはこう述べている。

「彼は自らが努力家だということを証明した。優秀なサッカー選手であり、バルセロナで我々が支持していたこのプレースタイルをうまく表現できていた。彼はサッカー選手としてこのプレースタイルに精通し、監督としてもそのスタイルを実践したのだ」

 彼の監督就任に関しては、いくつか疑問の声も上がっている。彼はアシスタントコーチの時のように、監督としても優れた手腕を発揮するのだろうか?

バルサを熟知する者への信頼

 そして彼は本当にバルセロナの監督を務めるだけの能力を持っているのだろうか?

 しかしながら、カルロス・レシャックは全く心配していない。「ティトにはバルセロナの監督を務めるだけの能力を完璧に備えている。素晴らしいパーソナリティの持ち主で、非常に真っ直ぐで誠実な性格だ。一方で、明確な考えを持っており、判断を下すことが重要な仕事である監督として多くのことをあれこれと無駄に考えたりはしないだろう。彼は監督としても、常に何をすべきかを把握している人間だ」

 また、ティト・ビラノバがバルセロナに来る以前までカデテBを率い、その後フベニール(ユース年代)の指導を経て、バルサ育成部門のコーディネーターとなったアルベール・ベナイジェスはティトの指導ぶりについてこう振り返る。

「彼とは当時、3週間ほど共にチームを指揮したのだが、とても優秀だった。しかも、彼からはサッカーについてとても重要なことを学んだ。例えば、彼のロンド(ボール回し)や5対3のポゼッショントレーニングなどは私の練習にも取り入れることにした。そういったトレーニングを取り入れてからというもの、チームは調子を上げ始めた」。

 また、ティト・ビラノバの監督としての立ち振る舞いに関してはこう言及する。「監督としてのティトは困難を乗り越えていくタイプの人間だった。その当時からバルセロナのトップチームを率いる監督としての見込みはあったと思っている。なぜなら、彼は監督として明確な考えを持っており、それを選手に伝えるのが非常にうまかったから」。

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