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香川真司 12年前

マンU番記者が徹底分析・香川真司の大いなる可能性【欧州サッカー批評 6】

text by ベン・ヒブス photo by Kazuhito Yamada

コミュニケーションも良好、輝ける準備は整った

 南アフリカでのトレーニングキャンプツアー。何人かの選手はクラブの規定体重に達せずに苦しんでいたようだが、香川はツアーインの時点でまったく問題なかった。親善試合のパフォーマンスは、指揮官を十分満足させた。「彼は素晴らしい選手。キャンプで見ての通り、機動力に優れ、非常に優秀なパサーだ。他の選手もその特性を生かそうとしている」と70歳の老将は太鼓判を押す。

 コミュニケーションも十分にとれているようだ。ツアーに入るとすぐに何人かの選手と英語で話しており、好印象を持たれているのがよくわかる。同世代だけでなく、ベテランのリオ・ファーディナンドとも親しくしている。キャリントン(マンUの練習場)のロッカールームで隣になったリオは、「僕は『konichiwa』を知っているし、もっと多くの日本語を勉強するつもりだ。シンジは英語をよく理解しているよ。アンデルソン( 07年加入)より上手く話せるしね(笑)。最初のチーム練習ですぐにいい選手だとわかったし、クラブにとってもとても大きな契約をした、と確信した。新シーズンへの準備も万端なようだし、すでに完全にチームの一部になっているよ」と最大級の賛辞を贈る。

 香川はユナイテッドにとって重要な選手となり得る、十分な才能を持っている。そして彼は非常に多くのシャツを売ることになるだろう。ただしそれは、日本だけでのことではない。今までと同様“天使のように”プレーすれば、世界中のユナイテッド・ファンの背中に、「Kagawa26」の文字を見ることができるだろう。

(翻訳・構成:植田路生)

初出:欧州サッカー批評 6

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