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香川真司 12年前

マンU番記者が徹底分析・香川真司の大いなる可能性【欧州サッカー批評 6】

『赤い悪魔で“背番号26”は活躍し、クラブに新たな未来をもたらすことができるのか』
香川真司はマンUでどれだけ活躍できるのか。日本のサッカーファンにとって新シーズンで最も注目すべきトピックかもしれない。マンU公式プログラムを9年にわたって制作してきた現地記者が、香川の持つ大いなる可能性を分析する。

text by ベン・ヒブス photo by Kazuhito Yamada


香川真司はマンUで輝くことができるのか【写真:Kazuhito Yamada】

懐疑的な意見を黙らせた元同僚・解説者の評価

「アジアへ向けたマーケティング戦略の一環」「極東でシャツを売る広告塔」「ドイツからの神話は続かない(イングランドでは活躍できない)」、今夏にボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍してきた香川真司に対して、一部メディアはその獲得を懐疑的に報じ、それに同意する現地のファンは少なからずいた。

 このような良からぬ評判は、イングランド人がブンデスリーガをほとんど見ないため、香川がどんな選手なのか知られていないことで生まれたものだ。そのため、昨シーズンのドルトムントのフォーメーションからストライカータイプだと認識している人が多かった。長年のユナイテッドの問題点は“スコールズ・タイプ”の選手が欠けていることにあり、「獲得するのはそこじゃない」と嘆いていたのだ。

 もちろんそのような“誤情報”がいつまでも残っているわけではない。ユナイテッド・ファンが毎試合購入している非公式のファン雑誌『United WeStand』に、ジャーナリストのアンディ・ミッテンは元日本代表キャプテンの宮本恒靖やヤン・アーゲ・フィヨルトフト(元ノルウェー代表、イングランドで放送されるブンデスリーガで解説者を務める)らの評価を引用しつつ、「彼の得点はあまりに素晴らしく、そのすべては信じがたいものだ。なぜそんなに(移籍金が)安いのか理解できない」と寄稿。

 そして、ファンの間でもYouTube の動画や彼のプレーに関する情報が日に日に増えていく。元同僚ヌリ・シャヒンがかつて発した「彼はまるで天使のようにプレーする」というコメントがSNS上を瞬く間に駆け巡り、「長年の懸案を解決するようなタレントが来た」「これで昨シーズンの最終節のように最悪にがっかりするようなことはないだろう」と、ユナイテッド・ファンは熱を帯びる。

 恐らく、ファンが望んでいたタレントの名前は香川真司ではなかったが、納得させるのにそれほどの時間はかからなかった。アレックス・ファーガソンはライバルのシティからタイトルを奪還するために相応しい選手を連れてきた、私はそう思っている。

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