ミラノダービーは痛み分け。ミラン指揮官はドローに満足
「試合終了間際にゴールを喰らうのは悔しい。ただ、選手たちは今日やったことに満足して、眠りについてもらいたい。インテルはスクデットを狙うべく補強されたチーム。その彼らがドローをまるで勝利したかのように喜んでいる。こうさせたのは我々の功績だと思う」
20日のミラノダービー戦後、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は語った。勝っても負けても穏やかにコメントするのはこの人の特徴でもある。確かにダービーでリードしていたのにドローに持ち込まれるのは、ミラニスタたちにとっては何より悔しいことだろう。ただモンテッラ監督は戦力差を冷静に見ていた。その相手に先制して、追いつかれた後もリードを奪うような試合ができたのだから一定の満足感があるということなのだろう。
実際に内容では、リードを奪っていたミランの方が苦しい試合を強いられていた。戦術にはめ込み、試合のイニシアチブを握っていたのはインテルだったのだ。
ステファノ・ピオーリ新監督は攻撃志向のフォーメーションをぶつけた。攻撃志向という点ではフランク・デ・ブール前監督と同様だったが、アプローチはもう少し緻密だ。ミランを研究し、攻略する上での機能性が戦術にきちんと組まれていた。そこはさすがセリエAの経験者といったところで、戦術は狙い通りに機能していた印象だ。
トップ下にはエベル・バネガではなく、守備のできるジョアン・マリオを起用してマヌエル・ロカテッリにぶつけた。そして高い位置からプレスを掛けて、ミランの展開の源泉である中盤の深い位置からの組み立てを阻害した。
ただ今のミランはカウンターも武器としており、深い位置から前線に縦パスを入れて裏を狙うこともできる。インテルは、これについても細かく対処を図った。カルロス・バッカやエムバイエ・ニアンのパスに対しては、2ボランチとCB2名が徹底してコースを切った。