ミラノダービーへ国内の期待感が高まる
「今までミラノダービーは格を下げてきたと言われました。ただ今回、ファンの期待感は随分違うように感じられます。ミランは3位につけており、インテルも順位が低迷しているとはいえ近年になく充実した戦力を揃えてきています。明日のダービーは、久々にスペクタクルなものになるのではという期待がありますが、あなたはどう思われますか?」
19日、ミラノダービーの前日記者会見で、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督に地元記者からそんな質問が浴びせられた。この一言は、今の国内の期待感を正確に代弁していたように思える。間違いなく世界屈指のダービーマッチとして名高いこのカードも、両クラブの弱体化により近年は試合内容も注目度も下がったと言われて久しかった。しかし今シーズン、ミランとインテル共に確かに今までと違う。
ミランは大きな戦力の上乗せこそなかったが、モンテッラ監督のもとでチームはまとまってきた。若手中心の陣容で、試合ごとに成長を遂げる。スソとエムバイエ・ニアンの両ウイングがほぼ安定して活躍し、マヌエル・ロカテッリという若手も台頭してきた。内容では相手を支配しきれているわけではなく、守備にも若干の粗を残すが、攻撃サッカーを志向しながらもチームワークで勝負どころをものにする集団になってきた。
完成度という観点で言えば、開幕から混乱を喫した末にフランク・デ・ブール監督を解任し、振り出しに戻したインテルが及ぶべくもないのは明白である。ただし、戦力は非常に充実している。
エベル・バネガやジョアン・マリオらの新戦力が噛み合い、前線のマウロ・イカルディにボールが渡りさえすれば、第4節でユベントスを破ったような芸当も見せられるのである。不確定要素は多すぎるが、”個”の力量は近年になく高い。批判的な地元メディアやインテリスタたちも、その見解は崩していない。