狙い通りだったドルトムントの先制ゴール
王者が陥落した。2016年11月20日のブンデスリーガ第11節、ボルシア・ドルトムントはホームにバイエルン・ミュンヘンを迎える。
ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督は[5-1-2-2]の布陣を採用する。ソクラティス・パパスタソプーロス、マルク・バルトラ、マティアス・ギンターの3バックに、マルセル・シュメルツァーとウカシュ・ピシュチェクの左右両ウイングバック。ワンボランチにユリアン・ヴァイグル、アンドレ・シュールレとマリオ・ゲッツェの左右インサイドハーフ、そして2トップにアドリアン・ラモスとピエル=エメリク・オーバメヤンだ。攻撃時にはウイングバックが高い位置を取り、[3-1-4-2]のような形になる。
昨季ブンデス王者に対する積極的な姿勢は、既に8月のドイツ・スーパーカップから見られたが、今回の対戦でもトゥヘルは先手を取ろうとした。決して5バックで引いて、後手に回ろうとはしない。3バックが両サイドに開いて幅を取ることによって、左右両ウイングバックは積極的に高い位置を取ることができる。そしてインサイドハーフや2トップと絡んで、厚みのあるサイドアタックが可能だ。トゥヘルは、ペップ・グアルディオラほどにはカルロ・アンチェロッティを恐れていないようである。
どこでどのようにボールを奪うのか曖昧な守備をするバイエルンに対し、前半はドルトムントが主導権を握った。ボールを奪えばサイドに運ぶことを徹底する。やはりバイエルンはサイドアタックを仕掛けられると、DFラインがバラついてしまい、バイタルエリアにスペースが生まれやすい。
11分のオーバメヤンの先制ゴールは、右に大きく流れたゲッツェのクロスから生まれた。ファーサイドのラモスが競り、さらにシュールレが競ったボールを、まさにバイタルエリアでオーバメヤンが落として、ピシュチェク、再び右のゲッツェと繋ぐ。最後はゲッツェの折り返しにオーバメヤンが触って、ゴールを決めた。