ミラン、パレルモ相手に苦しい戦い
ミランは苦戦した。「先制点を取ってから、我々はリズムを落としてしまった」。試合後、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は語った。パレルモの逆襲を許し、実際に同点にされた。
パレルモは、ミランを研究し意図を持って臨んでいた。「彼らはゲームを組み立てて試合の主導権を握ろうとする。そこにこそ付け入る隙があると考えた」と敵将のロベルト・デ・ゼルビ監督は話した。
狙い打ちにしたのは、CBとMFの間のスペースである。ミランはボールを保持してゲームを組み立てる時、両サイドバックが高い位置を取り三枚のMFのうち一人が後方に下がる。この時、中盤の底を務めるマヌエル・ロカテッリの周りにはスペースができることになる。
そこでパレルモ陣営は、そのエリアに人を集中して攻めた。攻撃の中心となったのは、インサイドMFを務めるオスカル・ヒリェマルクとブルーノ・エンヒキの2名だ。両者はロカテッリを囲んだかと思えば、交互に中盤のスペースへ飛び出してパスを前後左右に振り分けていた。
薄くなっているゾーンに人数を掛けられ、ミランは徐々にペースを譲る。その一方でパレルモもなかなかフィニッシュワークに苦労していたが、ベテランのファンタジスタであるアレッサンドロ・ディアマンティと、地元パレルモ生え抜きの18歳シモーネ・ロ・ファーゾが途中交代で入るとそれも解消。彼らの技術で攻撃にアクセントを付けられたパレルモは、ついにミランの守備を崩してゴールを決めた。