レアル、アラベスに逆転勝ち。まざまざと見せつけた“個”の力
レアル・マドリーの“個”の力、総合力をまざまざと見せつけられた。
アウェイでのアラベス戦に臨んだマドリーは4-1と快勝。だが、敗れたアラベスのマウリシオ・ペジェグリーノ監督が「この結果は、ピッチ上で見られたものを反映したものではない」といった通り、アラベスの奮闘が目立ち、マドリーのパフォーマンスが素晴らしかったとは言い難い。それでもこの試合を押し切ったものとは何だろうか。
今季11シーズンぶりに1部に復帰したアラベスは、開幕戦でアトレティコ・マドリーに引き分けると、第3節では敵地カンプノウでバルセロナに2-1で勝利する大金星を挙げている。ホームでのこの試合でも、バルセロナ戦で機能した5バックを採用し大金星の再現を狙っていた。
このゲームでの両チームのパス本数、シュート本数はマドリーが545本、15本、一方のアラベスは367本と8本となっている。この数字は、両チームの第9節までの平均値で見るとマドリーが528本と17本、アラベスが361本と7本と、ほぼ一致することから両チームがこの一戦で通常通りの試合運びができていたことが見て取れる。
5バックを敷き自陣を固めるアラベスだが、決して攻撃を放棄したチームではない。ライン設定こそ低いものの、そこから素早く2トップのデイベルソンとビクトール・カマラサにフィードし、カウンターを仕掛けてくる。
開始7分には右サイドでダニーロからボールを奪うと、左サイドバックのテオ・エルナンデスがマドリー陣内深くに侵入。そこからのグラウンダーのクロスから、デイベウソンが見事に先制点を奪う。アラベスのプラン通りにゲームは始まった。
攻撃、守備ともに連動性に欠けていたマドリーだが、思わぬ形でゴールチャンスが訪れた。ガレス・ベイルのフリーキックが壁に立つデイベルソンの頭に当たったが、何とこれがハンドと判定されPKに。クリスティアーノ・ロナウドがこれを沈め同点に。
ペジェグリーノ監督が「マドリー相手に何度もチャンスを作るのは難しい」とコメントしているように、少ないチャンスをモノにして逃げ切りを図ろうとしたアラベスにとっては痛すぎる失点となった。