”最適解”に辿り着き調子が上向いているシャルケ
雌雄を決する。2016年10月29日のブンデスリーガ第9節、ボルシア・ドルトムントはホームにFCシャルケ04を迎える。永遠に続く“レヴィア・ダービー”だ。
開幕からリーグ戦では5連敗を喫して、第5節終了時には最下位に転落したシャルケだが、第6節ボルシアMG戦の勝利を皮切りに、調子が上向いている。特に3-0で勝利した第8節のマインツ戦で、ようやく“最適解”に辿り着いたようだ。
マインツ戦で新監督ヴァインツィールは3バックを採用する。[3-3-3-1]とでも呼ぶべき布陣で安定した試合運びを見せ、90分間を通してマインツを支配した。26日のDFBポカール2回戦、対ニュルンベルク戦でも[3-3-3-1]で臨み、前半で3点を奪う。後半に少し不安定な姿を見せて2失点したが、3-2で勝利し3回戦への進出を決めた。
今季から監督に就任したヴァインツィールは、序盤戦は主に[4-2-3-1]を採用し、選手の組み合わせを試行錯誤しながら戦ってきたが、ようやくシャルケのポテンシャルを発揮できる[3-3-3-1]を見出したようだ。この布陣であれば全体が間延びすることなく、ボールに対して複数の人数を掛けて連動性を発揮しやすい。
要注意の選手は新加入のアルジェリア代表ナビル・ベンタレブである。トッテナムからレンタル移籍の“10番”は、機動力と正確なボールコントロールを活かし、トップ下で躍動する。マインツ戦では積極的にフィニッシュにも絡んで2ゴールを挙げた。
バイエルン戦では、同じく新加入のベンジャミン・スタンブリとボランチでコンビを組み、昨季王者を相手にタフな戦いを演じている。両者ともファイター・タイプだが、内田篤人によれば、中盤に闘える選手がいると、チームとしての戦いに波が無くなるのだという。
こうして今季いよいよ充実するシャルケに対して、ドルトムントは依然として負傷離脱者が続き、なかなかスタイルが整わず、波に乗れない。レヴィア・ダービーにおけるドルトムントの“最適解”は、どのようなものになるだろうか。