ドルトムント、独杯で2部相手に辛勝…チームを救った18歳の新星
薄氷の勝利だった。2016年10月26日のDFBポカール2回戦、ボルシア・ドルトムントはホームにウニオン・ベルリンを迎える。
負傷者が後を絶たない。25日にはエースのFWオーバメヤンも離脱した。[4-1-4-1]でスタートしたウニオン戦の先発には、右ウイングにU-19から18歳のヤコブ・ラーセンを抜擢する。依然として台所事情は苦しい。
2部で2位と好調のウニオン・ベルリンは、しっかりとしたコンセプトを持ってドルトムント戦に臨んできた。[4-4-2]で引きすぎずコンパクトな状態を保ち、GKバイデンフェラーにまで果敢にプレスを掛けてきた。ボールを奪えば、即座にMFクアナーを中止にカウンターに切り替える。前半に何度も右サイドを突破され、即席のドルトムントは度々ピンチを招いた。
しかし、そんな苦しい展開に風穴を開けたのはラーセンだった。U-19デンマーク代表の新星は終了間際の44分、エリア内の右でゲッツェからのパスをダイレクトでシュートを打つ。ボールはDFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。
ウニオン戦で最も特徴的だったことは、後半に向けた監督トゥヘルによる戦術変更だ。攻撃時には左SBのパスラックが高い位置を取り、3バックを形成する。バイグルのワンボランチの前に、ゲッツェ、カストロ、モルの3枚が並ぶ。ラーセンは右サイドを上下動する。そしてラモスのワントップだ。
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