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香川真司 8年前

ドルトムントを蝕む“CL後遺症”。最下位との一戦で露呈した「緊張感の欠如」と「経験不足」

ドルトムントは現地時間22日、ブンデスリーガ第8節でインゴルシュタットと対戦し3-3で引き分けた。久々の先発出場だった香川真司の低調ぶりに注目が集まりがちだが、チーム全体が抱える新たな課題が露呈する一戦でもあった。(取材・文:本田千尋【インゴルシュタット】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

機能不全に陥った新布陣。指揮官は心身の準備不足を指摘

トゥヘル
ドルトムントのトゥヘル監督はリーグ戦の緊張感欠如に頭を抱える【写真:Getty Images】

 “CL後遺症”に悩まされた。2016年10月22日のブンデスリーガ第8節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでインゴルシュタットと戦った。リスボンでスポルティングCPとのチャンピオンズリーグ(CL)の試合をしてから、4日後のことだ。

 前半のドルトムントは中盤がダイヤモンド型の[4-4-2]でスタートする。香川真司がトップ下に入り、オーバメヤンとラモスが2トップを組む。左SHにはデンベレ、右SHにカストロ、ボランチにヴァイグル。そしてDFラインは左SBパク・チュホ、左CBバルトラ、右CBギンター、右SBピシュチェク、GKにバイデンフェラーだ。監督トーマス・トゥヘルが公式戦で中盤がダイヤモンド型の[4-4-2]を採用するのは、今季初めてのことになる。

 しかし前半、この[4-4-2]はまるで機能しなかった。トップ下の香川はデ・オリベイラのマークに合い、バイタルエリアでなかなかボールを受けることができなかった。代わりに少し下がり目の位置でボールを受けたが、効果的な攻撃に繋げることはできなかった。もっとも、パフォーマンスが停滞したのは香川だけではない。ドルトムントは全体がチグハグで、チームとしてのミスが目立った。6分と24分には直接FKからゴール前で合わせられ、どちらも同じような形で失点を重ねてしまう。

 試合後にトゥヘルは「我々はブンデスリーガをプレーする準備ができていなかった」と語った。特に前半を「我々にはブンデスリーガの公式戦をプレーするためのいかなる緊張感も準備もなかった」と振り返る。

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