タイのサポーター【写真:Getty Images】
タイサッカー協会(FAT)は、11月15日に予定されるロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦を予定通りにバンコクで開催するが、観客の服装や行動などに関して制限を設けることを21日に発表した。
タイでは国民に絶大な人気を誇っていたプミポン国王が今月13日に死去し、国全体が喪に服している。サッカー界でも、年内の国内リーグやカップ戦などが全て中止されることが決定し、サッカーファンも競技に熱狂することなく静かな生活を送ることになった。
だが、W杯予選は他国との兼ね合いとなるため、中止や日程変更は容易ではない。来年9月に予定されるオーストラリアのホームゲームとの入れ替えや、中立地への会場変更も提案されていたが、FATによればオーストラリア側は変更に難色を示したとのことだ。
結局、FATは試合を当初の予定通りに開催することを発表。だが、国王への弔意を表すため、派手な服装や音を立てての応援などを禁じることもあわせて発表されている。オーストラリアサッカー連盟もファンに同様の呼びかけを行った。
スタジアムを訪れる観客は、男女ともに白、黒、グレーの無地の服を着るよう促されている。タイ代表の赤いアウェイユニフォームの着用や、応援するチームを示すシンボルを身につけることは禁止となる。
太鼓やチアホーンなど応援に用いる楽器類や、フラッグ、横断幕なども全てスタジアム内への持ち込みは禁止。スタジアム内でも周辺でも、チャントを歌うなどの応援行為は自粛するよう求められている。
タイとオーストラリアは、ともに日本代表と同じ最終予選グループBを戦っている。今月11日の試合で日本と引き分けたオーストラリアは、4試合を終えて勝ち点8で2位。タイは日本戦も含めて4戦全敗を喫して最下位に沈んでいる。
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