欠場濃厚の柏木。長谷部にかかる期待
98年フランス大会から数えて6回連続W杯本大会出場を狙う日本にとって、9月1日に対戦する2018年ロシアW杯アジア最終予選初戦・UAE戦(埼玉)は絶対に落とせない一戦だ。
前日会見にのぞんだヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「今の予選方式になってから最終予選初戦を落としたアジアのチームが本大会に出場した例はないが」という質問に対し、「そのことは全て把握している」と語気を強めており、必勝を期して大一番に挑むつもりだという。
しかしながら、前日練習でボランチでの先発が有力視されていた柏木陽介(浦和)が左股関節に違和感を訴え、左内転筋を痛めた昌子源(鹿島)とともに別メニューを強いられた。ケガやコンディションに常日頃から神経を尖らせている指揮官が前日のトレーニングをこなせなかった選手を起用することは考えにくい。
今回はリオデジャネイロ五輪で攻撃の起点となった大島僚太(川崎)か、J2のセレッソ大阪に復帰したばかりの山口蛍のいずれかの抜擢がファーストチョイスだ。大島はタテへの意識やパスさばきなど攻めの感覚は抜群だが、A代表経験が皆無。
山口は代表25試合出場と際経験豊富だが、やや守備的になりすぎるきらいがある。原口元気(ヘルタ)や清武弘嗣(セビージャ)を入れる案も考えられるが、誰を起用しても「帯に短し襷に長し」という印象は否めない。一方のボランチに不安があるだけに、キャプテン・長谷部誠(フランクフルト)がどう周りを動かすのか。彼の統率力が極めて重要になってくる。
長谷部にとって今回は三度目の最終予選。一度目の2010年南アフリカ大会、二度目の2014年ブラジル大会はいずれも遠藤保仁(G大阪)と「鉄板コンビ」を形成。遠藤の傑出した攻撃センスを出させるべく、背後から献身的にサポートすることが求められた。長谷部の代表通算ゴール数はわずか2にとどまっている。