UAEで気をつけることは2つ
最終予選の初戦で日本が相対するUAEの中心的な存在がオマル・アブドゥラフマンであることに異論の余地は無い。左利きのテクニシャンは中盤で巧みに味方からボールを引き出し、相手ディフェンスを翻弄するボールキープ、正確で意外性のある左足のパスを繰り出す。
「(UAEの選手は)ボールを持ったらまず彼を見ている」と長谷部誠キャプテンが語る通り、昨年のアジアカップ準々決勝で対戦を経験した選手たちはもちろん、今回の合宿でハリルホジッチ監督から過去の映像を見せられた選手たちも、取材の限り異口同音にオマル・アブドゥラフマンが最も警戒するべき選手であることを認める。
ただ、気をつけなければいけないことが2つある。1つはオマル・アブドゥラフマンという選手が固定的なエリアでプレーする選手ではないこと。もう1つは“王様”であるオマルの周囲に少なくとも3人の危険な選手が存在することだ。
メフディ・アリ監督が2012年から率いるUAEは複数のフォーメーションを用いてきた。もともと4-2-3-1がベースだったが、二次予選では主に4-4-2を採用。オマルは典型的なトップ下タイプだが、相手のマークを揺さぶる目的もあるのか、サイドハーフに配置されるケースが増えている。
例えばアウェイのマレーシア戦では4-4-2の左サイドだったが、サウジアラビアとの最終戦は右サイドだった。もっとも、それらもスタートポジションにすぎず、流れの中でかなりフリーダムに移動する。サイドから本来のトップ下の位置に入ってくる時もあれば、自陣の深い位置まで下がり、そこから攻撃を組み立てることも少なくない。