大宮の選手を称えるバルセロナの選手たち【写真:『ジュニアサッカーを応援しよう!』編集部】
U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2016の決勝戦が28日に都内で開催され、大宮アルディージャジュニアはバルセロナ・インファンティルBと対戦して0-1で敗れた。
グループステージを全勝で首位通過を果たし、無失点のまま決勝まで駒を進めた大宮だったが、世界屈指の下部組織を持つバルセロナに大会唯一の失点を許してしまった。
大宮の選手たちは悔しさのあまりピッチにうなだれ、中には立ち上がることのできない選手もいたが、バルセロナの選手たちは敗れた大宮の選手たちに手を差し伸べ、健闘を称えた。
さらに、試合後の表彰式でもバルセロナの選手は花道を作り、拍手で大宮の選手を迎えるなど、敗戦したチームに最大限のリスペクトを示した。
バルセロナのセルジ・ミラ監督は、この行動は選手たちが自発的に行ったものであると明かしている。
「一番最初に選手たちが『花道を作りたい』と言ってきました。彼らは多くの試合を行い、勝つこともあれば負けることもあるので、負けた時の気持ちをよく知っています。なので、勝った時に感謝の気持ちを込めて相手に『ありがとう』と伝えたくて、彼らは自発的に動きました」
この行動をスペインの大手紙『マルカ』も特集。大宮がバルセロナ相手に善戦したことともに、バルセロナの選手たちの行動を称えている。
「どのカテゴリにおいてもバルセロナを倒すことは全てのサッカー選手にとっての憧れである。哀しみに暮れた日本のユースチーム、アルディージャは残念ながら叶えることはできず、彼らの哀しみは目に見えて明らかだった。しかし、バルセロナは祝福することをいったん止め、対戦相手を慰めた。若手選手によるスポーツマンシップ溢れた行動は素晴らしかった」
惜しくも敗れてしまった大宮だが、世界トップレベルの選手が集まるバルセロナ相手に涙を流すほど互角に渡り合えたことは、今後の成長に向けて大きな糧となるはずだ。
(取材・文:『ジュニアサッカーを応援しよう!』編集部)
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