大島、インフルエンザも強行出場でも決勝点を演出
「キツかったです。ミスも多かったので、納得はいってないです」
敵地・埼玉スタジアムで年間首位を懸けた浦和との大一番を2-1で制した川崎の大島僚太は、試合後にそう語った。
グループステージ敗退に終わったリオ五輪で3試合全てに出場した大島は、帰国後にインフルエンザを発症。浦和戦は欠場も危惧されていたが、強行出場してピッチに立った。
試合後、当初は90分プレーするつもりではなかったと明かしていた大島。「まぁ、だいぶサボらせてもらったので」と謙虚な姿勢を見せていたが、フル出場して勝利の立役者となった。
フル出場した川崎の9選手のうち、大島の走行距離は6番目。決して運動量は多くなかった、むしろ多くできなかった。それだけに、「後半はキツくて顔も上がらないと思ってたんですけど、チームに助けられたなと思いました」と、チームメイトに感謝の言葉を述べていた。
圧巻は決勝点のシーンだ。中盤でボールを持ってドリブルを開始した大島は、タックルを仕掛けてきた阿部勇樹と那須大亮を抜群のタッチでかわす。
ゴール前でも、帰陣した那須を再びいなし、槙野智章を引き付けて右サイドのエウシーニョにパス。そのエウシーニョのクロスから途中出場の森谷賢太郎がゴールを決めた。
リオ五輪でも、大島の非凡なセンスが輝いた瞬間は見られた。唯一の白星を挙げたスウェーデン戦、左サイドでDFの密集地帯をドリブルで突破して矢島慎也のゴールをアシストしている。
埼玉スタジアムに駆け付けた4万4176人のサポーターは、状況は少し異なるかもしれないが、そのシーンと重ね合わせた人もいたかもしれない。