ミランのシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長【写真:Getty Images】
本田圭佑が所属するミランが中国の企業グループへ売却されることが決定的となった。伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などが同クラブのシルビオ・ベルルスコーニ名誉会長の発言を報じている。
昨季終了とともにクラブの売却交渉を進めていたミランだが、ベルルスコーニ名誉会長が心臓の手術を受けるため入院してから交渉はストップしていた。しかし、同名誉会長が5日に退院したことで今後急ピッチで売却が進むとみられている。
長きにわたって辣腕を振るってきたベルルスコーニ名誉会長は退院に際し「最近4年間、私の関心は他のものにあった。以前のようにミランを追えなくなっていた。これまで28個のタイトルを獲得してロッソネーリのファンを増やしてきた。いまは30年の歴史に幕を下ろそうと思っている」と述べ、自身がクラブ経営の第一線から退くことを示唆した。
さらに「私は最後の選択が重要だと思っている。ミランをイタリアで、ヨーロッパで、そして世界の主役にできるところへ売りたい」とクラブ売却の意思を認めた。
近年は財政難からかつてのようにスター選手を獲得できず、他クラブで契約満了になった選手を集めるばかりで中位低迷が続いていたミランだが、その状況も売却によって変わるようだ。ベルルスコーニ名誉会長は「私はミランを再出発させられる人物に明け渡すことにした。新たな買い手によってクラブに今後2年間で4億ユーロ(約450億円)の投資が約束されている」と明かしている。
ミランは一つの象徴的な時代を終え、新たな体制の下で再出発を図る。中国企業グループの巨額投資によって生まれ変わり、かつての栄光を取り戻せるのか。それともクラブのブランド力をマーケティングに利用されてしまうだけなのか。世界屈指のビッグクラブは先の見えない未来を突き進もうとしている。
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