イタリア、予想外のスペクタクルでスペインを撃破
イタリアvsスペイン戦のプレビューで、外れたことがいくらかあった。まずは、「コケが先発有力」と書いておきながら実際はノリートだったこと。次に、アントニオ・カンドレーバの不在は痛手となるどころか、アレッサンドロ・フロレンツィが右ウイングバックとして素晴らしいプレーをしたこと。そして何より、単純にイタリアが引いて守るだけではなかったことだ。
リードを奪った後半はともかく、むしろ彼らはアグレッシブに前からプレスを掛ける。スピードに乗って次々とゴールに迫る様は、スペクタクルですらあった。最終的には、枠内シュートの数では相手を上回って2-0で勝利。「イタリアとはカテナッチョでないということは証明できた。私はサッカーを指導しているのであって、自分の身の守り方についてのみコーチをしているのではない」とアントニオ・コンテ監督は胸を張った。
実際、イタリアはただ守備から入ってカウンターを狙うというスタイルに徹するのみならず、あくまで攻撃によってスペインのサッカーを破壊する戦術的なプランを準備して、ピッチに入ったのである。
それは主に、ポゼッションサッカーの根元をプレスで潰し、すぐさま速攻へと切り替えることにあった。スターティングメンバーの顔ぶれはベルギー戦、スウェーデン戦と変化はなかったが、グラツィアーノ・ペッレを中央に張らせてセルヒオ・ブスケツにプレッシャーを掛けさせた。
そして彼の両脇にはエデルとエマヌエーレ・ジャッケリーニを張らせ、実質は3-4-3として機能。その両者はスペインが後方でボールを持とうとする際、セルヒオ・ラモスやジェラール・ピケにプレスを掛けた。