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EURO2016 8年前

スペインを破壊したイタリアの戦術プランとは? “コンテ・アズーリ”が魅せた予想外のスペクタクル

イタリア代表は現地時間27日、EURO決勝トーナメント1回戦でスペイン代表と対戦して2-0の勝利を収めた。試合前は戦術的な駆け引きが多い展開になると思われたが、予想に反してアントニオ・コンテ監督はスペクタクルを披露した。そこには、スペインの華麗なパスワークを破壊することに成功したイタリアの戦術プランがあった。
(文:神尾光臣)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

イタリア、予想外のスペクタクルでスペインを撃破

コンテ
イタリア代表のアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】

 イタリアvsスペイン戦のプレビューで、外れたことがいくらかあった。まずは、「コケが先発有力」と書いておきながら実際はノリートだったこと。次に、アントニオ・カンドレーバの不在は痛手となるどころか、アレッサンドロ・フロレンツィが右ウイングバックとして素晴らしいプレーをしたこと。そして何より、単純にイタリアが引いて守るだけではなかったことだ。

 リードを奪った後半はともかく、むしろ彼らはアグレッシブに前からプレスを掛ける。スピードに乗って次々とゴールに迫る様は、スペクタクルですらあった。最終的には、枠内シュートの数では相手を上回って2-0で勝利。「イタリアとはカテナッチョでないということは証明できた。私はサッカーを指導しているのであって、自分の身の守り方についてのみコーチをしているのではない」とアントニオ・コンテ監督は胸を張った。

 実際、イタリアはただ守備から入ってカウンターを狙うというスタイルに徹するのみならず、あくまで攻撃によってスペインのサッカーを破壊する戦術的なプランを準備して、ピッチに入ったのである。

 それは主に、ポゼッションサッカーの根元をプレスで潰し、すぐさま速攻へと切り替えることにあった。スターティングメンバーの顔ぶれはベルギー戦、スウェーデン戦と変化はなかったが、グラツィアーノ・ペッレを中央に張らせてセルヒオ・ブスケツにプレッシャーを掛けさせた。

 そして彼の両脇にはエデルとエマヌエーレ・ジャッケリーニを張らせ、実質は3-4-3として機能。その両者はスペインが後方でボールを持とうとする際、セルヒオ・ラモスやジェラール・ピケにプレスを掛けた。

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