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EURO2016 8年前

ドイツ、“脱ゲッツェ”で濃くなる“ペップ色”。トゥヘル・ドルトムントとの戦術的混淆

EURO2016、ラウンド16でスロバキアとの試合に臨んだドイツ代表。ゲッツェの“偽9番”を放棄して以降、徐々にらしさが見えるようになってきた。戦術的多様性という点において、ブラジルW杯優勝チームは図抜けている。(文:本田千尋)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドイツ、表出した“ペップ色”

ドイツ代表
ドイツ代表は多彩に攻撃を組み立てた【写真:Getty Images】

 ペップの遺産が見え隠れした。2016年6月26日の欧州選手権ラウンド16、ドイツ代表はスロバキア代表と戦う。

 両チームは大会前の5月29日に親善試合を行っている。アウクスブルクでの試合で、ドイツ代表はスロバキア代表に1-3で敗れた。しかしノイアーがその前哨戦を「異なるコンディションでの異なるゲーム」と言い表したように、テストマッチは、あくまでテストマッチだ。

 守護神の言葉通り、ドイツ代表は、フランスのリールで「異なるコンディションでの異なるゲーム」を展開した。

 まず、ゲッツェが外れた。スロバキア戦に向けて、代表監督レーブはメンバーを「1?2人代える」ことを示唆していたが、不調のゲッツェはベンチに座ることとなった。代わって左SHにはドラクスラーが入る。

 北アイルランド戦に続いて右SBにはキミッヒ、ワントップはゴメスだ。この2人の登場によって、クローゼとラームの抜けた穴、つまりブラジルW杯以後にドイツ代表が抱え続けた問題は、次第に解決に向かいつつある。

 ドイツ代表は、試合開始から両SBが高い位置を取る。スロバキア代表をセンターラインの向こうに押し込んだ。そして8分、幸先よく先制する。CKから、DFがクリアしたボールを、エリア外からボアテングが右足ダイレクトで突き刺した。1-0。

 13分にはエジルがPKを失敗したが、それも些細なことのようにドイツ代表は余裕を持ってボールを回した。ボアテングとフンメルスの2CBは、安定したパフォーマンスを見せる。ボアテングのロングボールとフンメルスの縦パスから、ドイツ代表は多彩に攻撃を組み立てた。

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