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EURO2016 8年前

アザール覚醒のベルギー、打ち合い無敵のタレント集団を“組み合わせの妙”が頂点に導くか

EURO2016決勝トーナメント1回戦が現地時間の26日に行なわれ、ベルギー代表はハンガリー代表を4-0で下した。チームを快勝に導いたのは今季苦しみに苦しんだエース、エデン・アザールだった。今サッカー界で最も勢いのある“赤い悪魔”の行く末に注目したい。(文:Keiske Horie)

text by Keiske Horie photo by Getty Images

アザール覚醒でハンガリーを粉砕

エデン・アザール
圧巻のパフォーマンスを見せたエデン・アザール【写真:Getty Images】

 やはり、この男が躍動したベルギーは強い。

 EURO2016決勝トーナメント1回戦、ハンガリー対ベルギーはエデン・アザールの才能を再確認するには最高の試合となった。

 グループステージ初戦でイタリアに0-2で敗れ、最悪のスタートとなったベルギー。しかし、続くアイルランド戦で快勝を収め、スウェーデン戦では苦しみながらもMFラジャ・ナインゴランのミドルシュート一発で決勝T進出を決めた。

 そして迎えたハンガリー戦。ポルトガルを抑えてグループFを首位通過したハンガリーだったが、試合が終わってみれば4-0とベルギーの圧勝だった。周囲の不安を吹き飛ばす快勝を導いたのは他でもない背番号10番アザールだ。

 アザールにとって2015/2016シーズンはキャリアでも最も悲惨な一年と言っても過言ではない出来だった。所属クラブのチェルシーは序盤戦から絶不調に陥り、ジョゼ・モウリーニョ監督は解任された。自身もプレミアリーグで第35節までノーゴールという壊滅的なシーズンを送り、最終的にチームはチャンピオンズリーグ(CL)出場権などかすりもしない10位に終わっている。

 しかし、代表では2015年11月の親善試合イタリア戦から主将に定着すると、EURO本大会が開幕後もゴールこそないもののアシストでチームを助け最低限の仕事をこなしてきた。

 そんなアザールがハンガリー戦でついに覚醒する。78分にたった一人で相手DFラインを破壊する“一人スルーパス”のような形で左サイドを突破すると、ミチ・バチュアイの追加点を導く。さらに2分後には左サイドから得意のドリブル突破からミドルシュートを突き刺し待望の今大会初ゴールを記録した。

 途中ハンガリーにボールを支配されベルギーにとって盤石の展開ではなかっただけに、一気に1-0から3-0まで持ち込んだアザールのプレーは圧巻だった。結果、終了間際に再度カウンターから追加点を決めたベルギーは4-0で快勝を収めている。

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