イタリア代表、アイルランド戦黒星も1位通過
グループEでベルギー、スウェーデンを下し、1位を通過を決めていたイタリアは、22日のアイルランド戦で敗れた。サポーターの大声援に乗って激しい当たりを敢行する相手に刺し負け、終盤に右クロスからヘッドを決められる。アントニオ・コンテ監督就任後、実はこれが初めての公式戦における敗北だった。
もっとも、負けたところで成績上の影響は何もない。そういう位置付けの試合にあって、必然的に前2戦に出場したメンバーの多くを温存。今大会3試合目にしてディフェンスは初失点を喫したが、レオナルド・ボヌッチが「自分も警告を貰っているし強くは行けなかった」と言い訳をしてもある程度許容はされるというものである。
ただイタリアは格下であっても、フィジカルで押して来る相手は苦手にしている。7勝3分のEURO予選でも、苦戦した試合はそんな試合が多かった。もしアイルランド相手に決勝トーナメント進出を掛ける状況になっていた場合、ベストメンバーを組んでも良い結果が得られたかどうかはわからない。そう考えれば、やはり先のベルギー、スウェーデンに勝ったことが全てであった。
緊密な組織守備で相手の攻撃を封じる。DFラインを深く下げて中盤でのボールキープは譲っても、前線からの執拗なプレスで攻撃を限定させるとともに、緻密にカバーをしあってゴール前のスペースを消す。ベルギー戦では攻められながらも枠内シュートはわずか2本に抑え、スウェーデン戦では一本もなかった。
この2試合で、守備の要であるジャンルイジ・ブッフォンはあまり仕事をしていない。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によるスウェーデン戦の個人採点では、ブッフォンに対してはなんと「評点なし」という評価になっていたぐらいだ。
まさにこれは今シーズン、ユベントスで974分間の連続無失点記録を樹立した時の姿と同様。ユーベの後方ユニットをそのまま移植した効果は、はっきりと見て取れる。