状況に応じて求められる戦い方の緩急
逆転されてからは攻撃するしかないので、カウンターを食らってピンチを招いたのは仕方がない。先制した直後に同点にされているので、相手にボールを持たせてカウンターを狙う流れにはならなかった。ただ、同じリズムでプレーし続ければ息切れしてしまう。今後は状況に応じて深く引いて守ることも手の内に入れておくべきだ。
基本的には中盤のブロックを下げるだけなのでそれほど難しくはない。吉田を守備の軸に据えるなら、むしろ引いて背後のスペースを消したほうが守りやすいと思う。
ボスニア・ヘルツェゴビナの守備は強力とまではいえなくても、ワールドカップで対戦するレベルに近かった。しかし、これをこじ開けられないようではポゼッションからの得点は望み薄だ。香川と本田がいればまた違ったかもしれないが、後半の攻撃にも課題が残った。
(文:西部謙司)
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