伝説の戦術家アリゴ・サッキ氏【写真:Getty Images】
伝説の戦術家であり、かつてアトレティコ・マドリーを指揮した経験も持つアリゴ・サッキ氏が、レアル・マドリーの個人技スタイルを揶揄した。21日、スペイン紙『アス』が報じている。
ゾーン・プレスの生みの親として、1980年代後期~1990年代中期にかけて、ミラン、イタリア代表を率いで欧州を席巻したサッキ氏。チャンピオンズリーグ(CL)ファイナルを戦うマドリーの両チームを独自の切り口で語った。
サッキ氏は両チームを「マドリーは素晴らしい選手がたくさんいるが、素晴らしいチームであるには時間がかかる。そして彼らにはアトレティコのハングリーな気持ちが欠けている」と分析した。一方で、「とはいえ、もしマドリーが”チーム”として戦っていたらファイナルまで来ていない。それほどまでに、両チームの個人の能力の差は巨大だ」と圧倒的な個人技を主体に勝ち上がってきたマドリーのチームスタイルを揶揄している。
シメオネ監督については「素晴らしい仕事をしている。全てのチームの見本となっている」と評価する一方で、「サッカーとは美しさ、音楽、そしてハーモニーだ。アトレティコはいいチームだが、ハーモニーが欠けている」と述べている。片やジダン監督とマドリーについては「彼は知性のある男であり、偉大なるプロフェッショナルだ」と述べ、「マドリーはカゼミーロがチームにバランスを与えている」と語った。
1998/99シーズンにはアトレティコを率い、2004/05にはマドリーのSDも務めたサッキ氏も今や70歳だが、いまだにサッカーを見る目は厳しいようだ。果たして両チームはこの稀代の名将を納得させる戦いを披露できるのだろうか。
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