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手倉森監督も「目覚めた」。覚醒したU-23日本代表、韓国との激闘制しアジアの頂点に

text by 編集部 photo by Getty Images

手倉森誠
U-23日本代表の手倉森誠監督【写真:Getty Images】

【韓国 2-3 日本 AFC・U-23アジア選手権】

 U-23日本代表は30日、AFC・U-23アジア選手権の決勝戦で韓国と対戦し、2-3の大逆転勝利を収めた。

苦しい展開だった。前半に先制点を奪われた手倉森誠監督は、後半からオナイウ阿道を下げて原川力を投入し、中盤の修正を図る。しかし、後半開始直後に追加点を許し、2点のリードを与えてしまった。

「スリリングな展開でした」。手倉森監督は試合後、そう振り返る。

「もう2点取られたんでね、開き直って仕掛けるしかないと。でも、勝つことになってたのかな。韓国に2点取られて、オレ自身が目を覚ましてもらったというか。2-0で勝つつもりでしたから」

 選手たちも指揮官の思いに呼応するように、“覚醒”してみせた。途中出場の浅野拓磨が反撃の狼煙を上げるゴールで1点差に迫ると、矢島慎也がその1分後に同点弾を決め、浅野が決勝点を挙げる劇的な展開で宿敵韓国を下した。

 ここまで決勝戦まで全ての試合に勝利してきた日本だが、楽な試合ばかりではなかった。

 グループステージ初戦の北朝鮮戦は開始直後に植田直通が挙げたゴールを守り切って辛勝。準々決勝イラン戦では、スコア上は3-0ではあったものの延長戦までもつれ込む激戦となり、準決勝イラク戦は原川力が後半アディショナルタイムに劇的ゴールを奪う展開で決勝戦まで駒を進めた。

「ここまで勝ってなかったという悔しさとか、勝ってるときでも『そう簡単に勝てない』と言ってきた。だけど、こういう勝ち方をできるようになった。ここからもっと鍛えて、安心して見られるチームにしていきたい」

 激闘を勝ち抜き、アジアの頂点に立った若き日本代表が次に迎える大舞台は、8月に行われるリオデジャネイロ五輪だ。大会前、「何も成し遂げていない世代」と指揮官が称したチームは、先人たちの記録を繋いで6大会連続の五輪へと出場する。

「これからの日本サッカー、こんな状況から何とか世界に届くところまでのし上げていきたい。不可能なことはないんだということをこのチームからファンのみなさんは受け取って、日本をサッカーで明るい国にしていきたい」

 “覚醒”したU-23日本代表は、ブラジルの地でどんな成長ぶりを見せてくれるだろうか。

【了】

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