アジア制覇を成し遂げたU-23日本代表【写真:Getty Images】
【日本 3-2 韓国 AFC U-23選手権決勝】
イラクを下してリオデジャネイロ五輪出場権を獲得したU-23日本代表は30日、同年代のアジアNo.1をかけて韓国とのAFC U-23選手権に臨んだ。
南野拓実を所属クラブの事情で失ってしまった日本だが、イラク戦1ゴールの久保裕也を始め遠藤航、中島翔哉、室屋成ら今大会を支えたメンバーが先発に名を連ねる。
試合が動いたのは20分、日本は大きなサイドチェンジで左へ振られ、クロスを上げられてしまう。するとペナルティエリア内のヘディングで競り負けてしまい、正確な落としからクォン・チャンフンにボレーシュートを決められ韓国に先制を許してしまった。
いち早く追いつきたい日本だが、韓国の激しい守備を前になかなかシュートチャンスを作らせてもらえないまま前半を終えた。
日本の手倉森誠監督は後半開始から動く。前線で奮闘していたオナイウ阿道を下げ、イラク戦で終盤に劇的な決勝ゴールを挙げた原川力を投入し中盤を厚くする。しかし、早々にさらなるプランの修正を余儀なくされてしまう。
後半立ち上がりの47分、韓国は右サイドを複数人で崩し、折り返しをペナルティエリア内で受けたチン・ソンウがDFを背負いながら反転シュートを決めてリードを2点に広げた。
2点を追いかける日本は60分に大島僚太を下げて快足FW浅野拓磨をピッチへ送り出す。今大会無得点の汚名返上に燃えるストライカーに希望が託された。
するとその浅野が結果を残す。67分、矢島慎也のスルーパスに反応すると2人のDFの間を猛スピードで駆け抜けた”ジャガー”が右足ワンタッチでシュートを流し込み1点差に迫る。さらに直後の68分、左サイドでオーバーラップを仕掛けた山中亮輔のクロスに矢島がヘディングで合わせ、2分間で同点に追いついた。
韓国も引き離そうと必死に前へ出る。70分にはジン・ソンウクが強烈なミドルシュートで日本ゴールへ襲いかかるが、今大会スーパーセーブを連発してきたGK櫛引政敏が体を投げ出して防いだ。
日本は1ゴール1アシストの矢島に替えて豊川雄太を投入。一方、韓国はキム・スンジュンと190cmの長身FWキム・ヒョンという2人のストライカーを送り出し前線にパワーを加える。
だが、次に試合を動かしたのは日本だった。81分、中島のパスに抜け出してDFを振り切った浅野がGKの位置を見ながら冷静に流し込み、ついに逆転ゴールを奪った。得点後にはおなじみの”ジャガーポーズ”も飛び出し、ピッチ上とベンチの全員で喜びを分かち合う。
最後まで強い気持ちで韓国の攻撃を跳ね返し続けた日本は、悲願のアジア制覇を成し遂げた。これまでベスト8の壁を超えられなかったチームがそれを打ち破ってリオデジャネイロ五輪出場権を獲得し、さらにアジアの頂点を掴み取って大会を終えた。
【得点者】
20分 0-1 クォン・チャンフン(韓国)
47分 0-2 チン・ソンウ(韓国)
67分 1-2 浅野拓磨(日本)
68分 2-2 矢島慎也(日本)
81分 3-2 浅野拓磨(日本)
【了】