20歳のジャンマルコ・フラリカさんは全てのサッカーファンが羨む“夢の1時間”を過ごした。そんな奇跡を起こしたのがユベントスのスペイン代表FWアルバロ・モラタだ。
現地時間の27日に開催されたコッパ・イタリア準決勝ユベントス対インテル戦で、ユベントスは3-0で快勝を収めた。モラタは昨年10月のボローニャ戦以来、実に3ヶ月半に渡ってゴールを決められずにいた。しかし、インテル戦でPKを沈めると、63分にもこの日2点目のゴールを決め勝利の立役者となったのだ。
ジャンマルコさんはこの大一番を、“自らのアイドル”であるモラタの背番号9番のユニフォームを着て観戦した。ユベントスの勝利に歓喜してスタジアムを後にすると「いつものように」「いつものパブ」に立ち寄った。すると、偶然にも先ほどまでスタジアムで躍動していたモラタが同じ店にやってくるという奇跡に遭遇する。
パブのスタッフが混乱しながらもジャンマルコさんに「モラタが来ている」と伝えた。なんと、モラタは自身のユニフォームを着用していたジャンマルコさんを呼び「今日は彼の分は僕が払う」とご馳走したのだ。
「僕の幸せを想像することができますか?」
ジャンマルコさんはこのように感動を語っている。しかし、夢の1時間はそれだけでは終わらなかった。モラタは共に来店していた友人に新しいユニフォームを用意させると、完璧なスペイン語で「たくさんの愛情を友人のジャンマルコへ」とサインして贈った。
さらに、ジャンマルコさんのピザが到着すると、モラタは自身のテーブルにジャンマルコさんを招待。1時間に渡って歓談をしながら夕食をともにした。そして、食べ終わるとジャンマルコさんに「まるで友人にそうするように」電話番号を尋ねたのだ。「必要なことがあれば、いつでも連絡してくれ」モラタはそう伝えた。
そして、ジャンマルコさんにとって夢のような時間が終わり、最後にモラタは「ジャンマルコ、君と知りあえて本当に良かった。またすぐに話せることを願うよ。君は最高だ」と語りかけた。
ジャンマルコさんは夢の1時間を次のように振り返っている。
「僕がこんな体験に値することをしたかは分からない。美しい運命のいたずらかもしれない。ただ、将来自分の子どもたちに誇りをもって今日のことを話すだろうね。ありがとう、アルバロ。君のおかげで本当に幸せだ」
【了】