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U-23日本、延長の死闘制しリオ五輪出場に王手! ”10番”の輝きで強豪イラン破り準決勝へ

text by 編集部 photo by Getty Images

U-23日本、延長の死闘制しリオ五輪出場に王手! 強豪イランに3点大勝で準決勝進出
終盤の2得点で日本を勝利に導いた”10番”中島翔哉【写真:Getty Images】

【日本 3-0 イラン AFC U-23選手権準々決勝】

 リオデジャネイロ五輪出場権を争うAFC U-23選手権の準々決勝が22日に行われ、日本代表は強豪イラン代表と対戦した。

 サウジアラビアとのグループステージ最終戦からスタメンを8人入れ替えた日本は、現時点でのベストメンバーと言える布陣で重要な一戦に臨む。前線は久保裕也とオナイウ阿道が2トップを組み、両サイドから矢島慎也と中島翔哉が支える。しかし、前の試合で好プレーを披露した井手口陽介は前日からの発熱で欠場となった。

 序盤はイランが勢いよく攻めに出る。2分、日本のディフェンスラインを破ったモタハリがGKとの1対1を迎えるが、シュートは櫛引政敏に弾き出された。日本は7分に最初のチャンスを迎える。コーナーキックに岩波拓也が飛び込むも、相手GKが体を張ってブロックし先制とはならない。

 その後は徐々に落ち着きを取り戻してイランの攻撃をいなしながらチャンスを作る日本だが、守備陣が時折不用意なミスから何度かビッグチャンスを作られてしまう。37分、植田直通のクリアミスを拾われ、モタハリにシュートを許すも精度の低さに助けられて失点は免れた。

 スコアレスで迎えた後半もイランは積極的に前へ出て先制点を狙う。57分、右サイドからのアーリークロスに対し室屋成との空中戦を制したモハマディがヘディングシュートを放つ。だが今度はクロスバーに直撃し惜しくもゴールを外れた。

 後半なかなかチャンスを作れない日本は83分、久保を下げて切り札・浅野拓磨を投入して状況の打開を試みる。直後には入ったばかりの浅野のスルーパスを受けた矢島慎也がグラウンダーのクロスを送るも、相手DFにカットされシュートまで持ち込めなかった。

 最後まで両チームとも決め手を欠き、90分を無得点で終了。激闘の決着は15分ハーフの延長戦に委ねられた。すると延長前半序盤に大きく動く。95分、相手DFをフェイントでかわした室屋が右サイドから左足でクロスを上げると、ゴール前にフリーで飛び込んだ豊川雄太がヘディングをネットに突き刺す。後半終了直前に投入されたスーパーサブが日本に貴重な先制点をもたらした。

 窮地に立たされたイランは延長前半終了間際に3度ビッグチャンスを迎える。だがそこにはGK櫛引が立ちはだかり、果敢な飛び出しと強気のセービングですべての決定機を防ぎきった。

 すると延長後半開始直後に勝負を決める一発が生まれる。108分、左サイドでボールを持った”10番”中島が切り込んで右足を振り抜く。強烈なキックから放たれたボールはGKの頭上を抜け、ファーサイドのゴールネットに吸い込まれた。その直後の110分にも中島が輝き再びミドルシュートで2ゴール目。勝利を確実なものにした。

 これまでアジアベスト8の壁を超えられていなかったU-23日本代表は、足の止まったイラン代表を最後まで抑え、終わってみれば3-0の完勝。苦しみながらも準決勝進出を決め、悲願のリオデジャネイロ五輪出場権獲得にあと1勝のところまで上り詰めた。

【得点者】
95分 1-0 豊川雄太(日本)
108分 2-0 中島翔哉(日本)
110分 3-0 中島翔哉(日本)

【了】

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