鈴木武蔵の先制ゴールを喜ぶ日本の選手たち【写真:Getty Images】
【日本 4-0 タイ AFC U-23選手権GS第2戦】
AFC U-23選手権のグループステージ第2戦が16日に行われ、日本代表はタイ代表と対戦した。
北朝鮮戦に勝利しており、この試合に勝てば決勝トーナメント進出が決まる日本。中2日ということもあってスタメンを6人入れ替えてタイ戦に臨んだ。決勝点の植田直通をはじめ、山中亮輔、大島僚太、南野拓実、中島翔哉、久保裕也がベンチスタートとなり、奈良竜樹、亀川諒史、矢島慎也、豊川雄太、原川力、浅野拓磨が初先発を飾っている。
試合開始からアグレシッブに仕掛けるタイは、バタつく日本のゴールに何度も迫ってあわや1点という場面を作る。しかし徐々に落ち着きを取り戻し反撃に転じた日本は矢島や豊川、浅野といった初先発組が立て続けにシュートを放って決定機を生み出した。
渾身の一発がクロスバーに直撃したり、GKのセーブに阻まれたり、なかなかゴールに繋がらず暗い雰囲気を振り払うことができない。そんな中1人のストライカーが流れを一気に変えた。27分、遠藤航の浮き球パスに抜け出した鈴木武蔵が見事なシュートを突き刺して日本に先制点をもたらした。
1点を先制されたタイは、18番を背負った”タイのメッシ”ことチャナティップを中心にテクニックを生かした攻めを見せる。ミスの多い日本の守備陣の隙をついてボールを奪い、記録に残るシュートこそ少なかったが何度もヒヤリとする場面を作った。
リードを保って後半を迎えた日本は選手交代が功を奏する。49分、ピッチに入ったばかりのオナイウ阿道が右サイドで粘って折り返したパスは逆サイドへ流れたが、こぼれ球を拾った原川が持ち出してふわりとしたクロスを上げる。そこに矢島が頭で合わせて非常に大きな追加点を奪った。
2点目を手にいれた日本は直後に大ピンチを迎える。54分、亀川がペナルティエリアの縁で相手選手と競り、倒してしまうと微妙な判定ながらタイにPKが与えられる。しかしキッカーのティティパンは軸足を滑らせ、シュートをクロスバーに当ててしまいゴールならず。その後のピンチもGK櫛引政敏らを中心になんとかしのぎきった。
早く3点目を取って勝負を決めたい日本だが、タイの多彩な攻撃に苦しめられる。そんな中でも70分過ぎには朝のに代えて久保を投入し、1点を奪いにいく姿勢を明確に打ち出した。そしてその久保がすぐに結果を出した。
75分、岩波拓也がインターセプトから素早い切り替えでボールを運び、ディフェンスラインとの駆け引きを制した久保にラストパス。GKとの1対1になっても冷静に相手の位置を見てループシュートを放ち、優雅にゴールネットを揺らした。
勝利をほぼ確実にした日本は84分にゴールを挙げたばかりの久保が自らの突破でPKを獲得。そしてキッカーとして冷静にシュートを沈めて4点目をゲット。途中出場から約15分で2ゴールを決めて見せた。
序盤は相手の勢いに苦しめられたが、結果的に4-0と大きく突き放した日本は急成長を遂げる新興国タイに違いを見せつけ、北朝鮮戦に続く2連勝を飾った。これによりグループステージ最終節を待たず決勝トーナメント進出が決定している。
次は19日にサウジアラビアとの一戦に臨む。中2日の連戦で難しい戦いが予想されるが、2試合でたくましさを増した若きサムライたちのさらなる奮起で全勝突破を決めたいところだ。
【得点者】
27分 1-0 鈴木武蔵(日本)
49分 2-0 矢島慎也(日本)
75分 3-0 久保裕也(日本)
85分 4-0 久保裕也(日本)
【了】