決勝ゴールを挙げた柏好文【写真:Getty Images】
【ガンバ大阪 2-3 サンフレッチェ広島 JリーグCS決勝第1戦】
明治安田生命J1リーグチャンピオンシップ(CS)決勝の第1戦が2日に行われ、浦和レッズを破って最終決戦に駒を進めた年間3位ガンバ大阪と年間総合1位のサンフレッチェ広島が激突した。
ホームのガンバ大阪はCS準決勝から中3日と厳しい日程で今季56試合目の公式戦に臨んだ。そのため疲労が考慮されたパトリックはベンチスタート。代役に長沢が起用された。
第1戦をアウェイで戦う広島はいつも通り万全の布陣を敷いた。左サイドには好調の清水が入り、水本が本調子でない左CBには佐々木が先発する。
前半は互いにいくつかチャンスを作りながら互角の拮抗した展開が続く。広島はゆったりしたパス回しで相手の隙を伺うも、中盤の要である青山が相手のきついマークにあって存在感を発揮できない。
一方のG大阪は前線の長身FW長沢を生かしつつ、宇佐美の個人技に加え阿部や大森を絡めたコンビネーションでシュート機会を作っていく。遠藤もさすがのテクニックで攻撃をおぜん立てし、ホームでの先勝を目指した。
両者決め手を欠き前半はスコアレスで終えたが、後半はG大阪が積極的に相手を押し込んでいく。宇佐美が攻撃の中心になってバイタルエリアでプレーできるようになり、大森や阿部のハードワークも生きる。
すると60分、試合が大きく動く。これまでミスなく落ち着いたパス回しを見せていた広島守備陣だったが、佐々木から千葉へのパスがずれ、見逃さなかった長沢は抜け目なくこれをカット。そのままシュートに持ち込み、G大阪に値千金の先制ゴールをもたらした。
失点直前に浅野を投入していた広島は、69分に驚異的な運動量で右サイドを支えていたミキッチを下げて柏を投入。より前へ出る姿勢を明確にして同点を目指す。対するG大阪は77分に先制弾の長沢に代えてパトリックを投入した。
そして広島に待望の瞬間が訪れる。80分、セットプレーを防いだカウンターから一気に相手陣内まで攻め込むと、角度の全くないところから浅野がシュートを放つ。これはポストに阻まれたが、こぼれ球に反応した柏がシュートを撃ち、最後はドウグラスが頭でコースを変えて同点ゴールを沈めた。
アウェイゴールを奪われたG大阪だが、直後に再び流れを引き戻す。81分、遠藤のリスタートからゴール前の混戦でこぼれたボールに今野がボレーシュートで合わせる。そのボールはゴール右隅に吸い込まれ、ベテランMFの2試合連続得点で追いすがる広島を突き放した。
だがG大阪にアクシデント。86分、激しい競り合いの後、清水を突き倒したオ・ジェソクにレッドカードが提示され、残り5分強を10人で戦わなければならなくなってしまった。
1人少なくなったG大阪の長谷川監督はすかさず宇佐美を下げて米倉を投入。逃げ切りを図るが、今季の広島は一味違った。92分、青山の絶妙なクロスに佐々木が打点の高いヘディングで合わせて再び同点に追いつく。
まだ試合は終わらない。96分、途中出場の柏が鮮烈な逆転ゴールを奪って試合終了の笛。ホームで勝利が目の前でこぼれてしまったG大阪に対し、土壇場で3つ目のアウェイゴールを奪って優位に立った広島は第2戦をホームで戦う。最終決戦は今週末5日。エディオンスタジアム広島ですべてが決まる。
【得点者】
60分 1-0 長沢駿(G大阪)
80分 1-1 ドウグラス(広島)
81分 2-1 今野泰幸(G大阪)
90+2分 2-2 佐々木翔(広島)
90+6分 2-3 柏好文(広島)
【了】