注目は柏木と遠藤の司令塔対決
浦和は7試合連続失点を喫し、リーグ戦を終えた。その間も勝利は重ねており、強さを示してきたのは事実。だが、チャンピオンシップ準決勝は一発勝負であり、一つのミスが命取りになる。2nd最終節の神戸戦では自陣での不用意なボールロストから得点を奪われている。真っ赤に染めるホーム埼スタの大観衆の声援を力に変えたい。
3バックのレギュラーである那須大亮と森脇良太が負傷し、バックアッパーの岡本拓也も離脱と、最終ラインが万全ではないことも気がかり。那須も森脇もこの一戦にスタメン出場の見込みだが、状態が心配される。
何度も阻まれてきたリーグ制覇の夢。今季こそはという熱い思いをぶつけたいところだ。
昨年の3冠王者であるG大阪は、今季もタイトルに肉薄してきた。だが、アジアチャンピオンズリーグはのちに優勝する広州恒大に準決勝で敗れ、ヤマザキナビスコカップ決勝では鹿島アントラーズに叩きのめされた。
手痛い負けではあったが、リーグ制覇への思いをより強めた。鹿島戦後、宇佐美貴史は「タイトルを取ることが難しいのはわかっていましたし、重要性もわかっています。だからこそ次の残り2つ」と、リーグ戦に気持ちを切り替えていた。
そして、16節の広島戦こそ敗れたが、最終節の山形戦では5分間で4ゴールを奪い勝利し、FC東京をかわして年間3位に滑り込んだ。
共に質の高いタレントが揃う中で、注目なのが柏木陽介と遠藤保仁による司令塔対決だ。互いに勝敗のカギを握る存在だが、特に柏木は先日の日本代表戦で目立った活躍を見せた。
そのプレーぶりから“遠藤の後継者”という見方が一気に広まった。柏木には“先輩”を上回るパフォーマンスを見せる必要がある。もちろん、遠藤保仁も黙ってはいないだろう。背番号7を経由することで、G大阪は独特なリズムの中で試合を展開できる。勝負所を心得る百戦錬磨の大ベテランは、こうした大一番でこそ特別な輝きを放つだろう。
両者の対戦は歴史を見ても僅差の試合が多い。2012年のように5-0という大差もあったが、今回は一発勝負ということもあり、堅い試合になるのではないだろうか。
広島の待つ決勝へ進むのは浦和か、G大阪か。試合は14:00キックオフだ。