確実に疲労は蓄積。動きの重い香川
香川真司の吐く息は白い。12月を目前にして、本格的な冬が訪れようとしている。2015年11月23日の午前、ドルトムントのブラッケル練習場では、ところどころに昨夜降った雪が、かすかに残っていた。
敵地でハンブルガーSVに1-3で敗れて、2日が経った。香川を始め、ギュンドアン、フンメルス、ロイス、オーバメヤンら主力も顔を揃えたトレーニングは、引き締まった空気の中で行われる。監督トゥヘルの声が響く。
「速く、確実に!」
ボルシア・ドルトムントは、HSV戦で香川やビュルキが認めた、欠いた「集中」を再び取り戻してきているようだ。
3日後にはヨーロッパリーグのクラスノダール戦が控えている。既に決勝トーナメントの進出を決めているだけに、欠けた「集中」を取り戻し、BVBのスタイルを再確認するにはもってこいの試合である。その途上に、23日午前のトレーニングは位置している。
香川は、1つ1つのメニューに丁寧に打ち込んだ。ウォームアップを兼ねたパス交換では、公私ともに仲が良いとされるギュンドアンとコンビを組む。動作に余念はない。しかし連戦に次ぐ連戦で疲労は蓄積しているかもしれない。動きが少し重く感じられた。
それでも香川とギュンドアンとのコンビネーションが、BVBの軸の1つであることに変わりはない。最後のメニューとなったミニゲームで、香川はフリーマンのギュンドアンとのワンツーから、精力的にシュートを打った。
また、この23日午前のトレーニングでは、BVBの中盤の新たな可能性が垣間見えた。ヌリ・シャヒンである。
昨季の2月28日のシャルケとのレヴィア・ダービーの後で、内転筋の問題で離脱し、今季の開幕戦にも間に合わなかったシャヒンだが、ようやくトレーニングの通常メニューに加わった。