FC東京、CS進出なるか
FC東京は、年間3位で最終節を迎える。自力でチャンピオンシップ進出を決められる位置で鳥栖戦を戦えることは、チームが今季取り組んできたことの一つの成果と言えるだろう。
失点しないことを最優先事項とし、コンパクトな陣形を保って相手の侵攻を防ぐ。そして、ボールを奪えば手数をかけずに一気に攻め込み、ゴールを陥れる。
1stステージでカウンターの担い手となった武藤嘉紀は夏に移籍した。10得点を決めたストライカーの穴は大きかったが、実力者の前田遼一が着々とゴールを奪い、東慶悟も前線での存在感をさらに増すなど、“武藤後”のFC東京も相手にとって侮れないチームとなっている。
守備でもオーバートレーニング症候群と診断された権田修一に代わり、榎本達也がゴールマウスを守った。そして現在はアブラモフが守護神として君臨している。FC東京はシーズン中に発生したいくつかの事態にも冷静に対処し、現在の地位を守っている。
G大阪とは勝ち点2差だが、得失点では下回る。ライバルが最終節を勝つと仮定すると、FC東京はドローも許されない。この大一番で求められるのは勝利のみ。
だが、最終節で対戦するサガン鳥栖も油断ならない相手だ。8月には神戸に1-7というショッキングな大敗を喫したが、そこから一気に崩れるのではなく立て直すことができた。最近は4試合負けなしで2連勝中だ。
エースの豊田陽平は6試合ぶりのスタメンとなった前節の仙台戦でゴールを決めている。FC東京守備陣にとって最も警戒すべきだろう。
だが、10番のキム・ミヌが右第五中足骨骨折で全治3カ月と診断された。単独でボールを運ぶことができ、豊富な運動量で守備を助けるこのアタッカーの不在は、鳥栖にとって大きな戦力ダウンだろう。
気になる両者の対戦成績だが、リーグ戦ではFC東京の3連勝中と、フィッカデンティ体制になってから負けていない。
相手の主力は負傷し、対戦成績も圧倒している。FC東京は鳥栖に勝利し、チャンピオンシップ進出を決めることができるだろうか。