「彼の勇気ある言動に賛同したい」
先日、0-4で敗れたナポリ戦後のミックスゾーンで本田圭佑がクラブを痛烈に批判したことは、イタリアでも大きな話題になっている。
彼は試合には出場しなかったが、クラブや監督、さらにはサポーターにまで辛辣な言葉を述べた。
私は、彼の勇気ある言動に賛同したい。彼は今まで自らの意見を公にすることは少なかったが、選手がミックスゾーンや試合後の会見で自分の意見をはっきりと話すことは、イタリアではよくあることだ。
以前はユベントスのジャンルイジ・ブッフォンやレオナルド・ボヌッチも、今季開幕前に相次いで選手がチームを去ったことに「厳しい状況である」と発言していた。
“批判”とまではいかなくとも、イタリアの社会では自分の意見を主張することは普通のことだ。選手から意見が出ることは大切なこと。ある程度の摩擦がなければ、本当の意味でサッカーの文化は作れない。
前の試合から次の試合まで、サポーター同士で話題となることは限られている。2つの試合の間にこのような話題がなければ、つまらないとされてしまう。
特に今のイタリアでは代表の人気がなく、リーグ戦が中断したこの期間はニュースが少ない。ミランの危機は大きなトピックスになっている。その中でも、本田の言葉は大きく響いている。
現地のメディアは、普段は大人しく落ち着いている本田が、ここまで自分の意見をさらけ出したことに驚きをもって世間に伝えている。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版では「ゼン(禅のお坊さん)よりサムライだ」と、トップニュースとして扱われ、300件以上のコメントが付いた。
その中で本田の言葉に反対している人は少ない。彼は「叩かれることは理解している」と述べたが、現地のサポーターは賛成している人が多いのだ。
しかし、今季の低調なパフォーマンスに対して、「まずは結果を出せ」「ビッグプレーヤーを獲得したらお前が試合に出られない」という意見も当然ながらあった。