ドルトムントに掛かる「バイエルン・ハンター」の期待
大一番である。2015年10月4日、ブンデスリーガ第8節、ボルシア・ドルトムントはバイエルン・ミュンヘンとの一戦に臨む。9月30日付の『シュポルト・ビルト』誌は、ミュンヘンでの試合を「トゥヘルの最初の決戦」と記した。
9月23 日のホッフェンハイム戦と27日のダルムシュタット戦、このところのリーグ戦2試合でドルトムントはドローに終わった。それでも開幕から無敗をキープしている。
バイエルンも無敗のままここまで来た。7戦7勝と1つの引き分けもない。パーフェクトな数字だ。逆に言えば両者にとって、初の黒星が付く可能性のある試合でもある。
10月1日付の『キッカー』誌は「バイエルンは日曜日には王者となるのだろうか?」と記した。まだ10月の頭なのに気の早い話だが、ドルトムントの初黒星は、そのままバイエルンの独走に繋がりかねない。既に9月22日、昨季2位のボルフスブルクは、レヴァンドフスキに9分間で5得点を許して敗れている。
対抗馬不在のリーグ戦は退屈なもの。無敗のドルトムントに期待が掛かるのは無理もない。だからメディアは「バイエルン・ハンター」や「決戦」といった言葉で盛んに煽り立てる。
そんな喧騒をよそに、ドルトムントのミヒャエル・ツォルクSDはあくまで現実的だ。
「我々は挑戦者であるつもりだ。バイエルンに対してではなく、リーガの他のチームに対してね。そして次の年にはチャンピオンズリーグでプレーする。それが我々の要望だ」
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