左インサイドハーフで起用される香川真司
ひと段落した気配がある。ブンデスリーガの第6節を終えて、狂騒の主役となったのはロベルト・レヴァンドフスキだった。
バイエルン・ミュンヘン所属のポーランド代表は、22日のボルフスブルク戦で51分から9分間で5得点を決める。24日付の『キッカー』誌は「信じられない一夜」と題して、咆哮するレヴァンドフスキを表紙に載せた。
一方、23日にホッフェンハイム戦を引き分けたドルトムントについては「トゥヘルにとって初めての勝ち点喪失」と題して、小さく「ドルトムント、たった1:1」とある。監督トーマス・トゥヘルの写真も控えめだ。
しかし「1:1」というスコアを「たった」と感じさせてしまうのが、今季のドルトムントでもある。公式戦の連勝記録は11でストップした。そうかと言ってBVBの勢いは失われてしまったのだろうか。
香川真司は「いつかは連勝は止まりますし、それが今日で、ただ負けてはいない」と捉えている。BVBは一旦呼吸を整えて、再び走り出そうとしているところなのだ。
ここでは、開幕からの流れがひと段落したところで、トゥヘル体制におけるドルトムントの昨季との違いを、簡単にまとめてみたい。
まずは戦術である。ユルゲン・クロップ前監督は、布陣を主に4-2-3-1で戦った。ワントップに香川とロイスのツー・シャドーといった形を試したこともあったが、あくまで変則的な例に留まっている。昨季、香川は4-2-3-1のトップ下で起用された。そしてプレッシング、ゲーゲンプレッシングを軸とする。
対してトゥヘルは、4-1-4-1または4-1-2-3とも表記できる4-3-3を基本布陣とする。3トップに、2人のインサイドハーフ、ワンボランチといったところだ。香川は主に左のインサイドハーフでの起用となっている。