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イラン女子代表主将、夫の許可得られず海外遠征を断念「国の旗を掲げたかった」

text by 編集部 photo by Getty Images

イラン女子代表主将、夫の許可得られず海外遠征を断念「国の旗を掲げたかった」
イラン女子代表のキャプテンで、同国最高のスター選手が国外遠征への参加を断念【写真:Getty Images】※写真はイメージです

 イラン女子代表のキャプテンで、同国最高のスター選手でもあるニルファール・アルダランが夫の許可を得られず国外遠征への参加を断念することがわかった。『自由欧州放送(RFE)』などが伝えている。

 アルダランはサッカーだけでなくフットサルのイラン代表としても活躍しており、今月21日から26日までマレーシアで開催されるフットサルのアジア選手権に出場する予定だった。

 厳格なイスラム体制のイランでは結婚した女性が国外へ出る際に夫の同意が必要で、パスポートを取得または更新する書類に夫のサインがなければ海外渡航を禁止することができる。

 女性イスラム教徒のスポーツ参加を推進するメディア『シャーザナン・グローバル』によれば、今回の場合アルダランのパスポートは更新の必要があるにもかかわらず、夫がサインを拒んでいるという。

 アルダランの夫はスポーツジャーナリストとして活動する人物で、女性のスポーツ参加に理解がないわけではないが、今月23日に7歳の息子の初登校日を控えており、それを欠席しての海外渡航は許されないという考えのようだ。

 これを受けたアルダランは地元イランの『ナシムオンライン』に対して「夫がパスポートを渡してくれなかった。彼が私の海外渡航に反対しているため試合には参加できない」とやりきれない気持ちを打ち明けている。

 また、「今回の試合は私にとって非常に重要なものだった。私はレジャーをして楽しむために旅をするのではなく、ムスリムの女性として国の旗を掲げたかった」と女性の権利が制限されるイランの現状を嘆いている。実際に同国では男性の海外渡航に制限はない。

 今回の件について夫のメフディ・トゥトゥンチからは何も語られていないが、イラン女性のヒーローであるアルダランが声を上げることで社会が変わるきっかけとなるだろうか。

【了】

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