導き出された「長友残留」の結論
「お疲れ様です」
30日のカルピ戦後、笑顔でスタジアムから出てきた長友佑都だったが、脇はインテルの広報担当者にがっちりとガードされていた。「今日ばかりは取材してくれるな」という意思表示であることは明らかで、ナーバスな状況を物語っていた。
そしてその後、試合会場となったモデナのアルベルト・ブラーリア(カルピはホームのカバッシがセリエA開催規格を満たせず、今季は近郊のモデナを借りる)では、インテルの幹部会談が行われた。
ロベルト・マンチーニ監督、パウロ・アウシリオSD、マルコ・ファッソーネGMの3者は一時間にわたって補強戦略について話し合いを行う。そして出された結論が、長友を残留させるというものだった。
練習での戦力外扱いに始まり、ジェノバの2チームにガラタサライにレスターやレバンテと移籍の噂はたったが、残留が決定的となった。ただしポルトガルの移籍市場がクローズとなるのは9月22日で、噂通りベンフィカが興味を持っているなら獲得できる状況でもあるのだが…。
さて長友については、ポリバレント性や走力をマンチーニが再評価したという報道もあり、現にカルピ戦では途中交代の一番手として右SBで使われている。もっともここまでポジションをたらい回しにされていたし、地元記者の中には「売れなかった、というのが正しいのではないか」という見方をするものもいる。もっとも高値で売れないのなら、無理して長友を放出する理由もクラブにはなくなっていた。