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ピケに下された4試合出場停止は妥当か? ピッチ外でも影響与える見えない“黒服”の存在

スペインでは、“黒服”と呼ばれる人物がサッカーの試合に存在する。試合を裁く主審の別称だ。その昔、主審は必ず黒い服を着ると決められていたことから今日に至るまでこの表現が名残として残されておいる。試合でジャッジを下す“黒服”だが、ピッチ外にも影響を与えることは珍しくはないようだ。試合中の暴言により4試合の出場停止処分を下されたバルセロナのジェラール・ピケもその例のひとつである。現地在住記者が追った。

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta , Getty Images

スーパー杯での暴言で4試合の出場停止処分を下されたピケ

ピケに下された4試合出場停止は妥当か? ピッチ外でも影響与える見えない“黒服”の存在
暴言により4試合の出場停止を下されたバルセロナのジェラール・ピケ【写真:Rafa Huerta】

 今季のスペインリーグが再び開幕した。とはいえ夏の移籍市場もまだ開いている状態であり、チームも完全にはできあがっていない。久々の公式戦となる今季第一節は、アウェイで最も点差をつけて勝利をあげた昇格残留組のエイバルが1位に終わる結果となった。

 昨季優勝争いをした上位チーム、バルセロナとアトレティコ・マドリーは順当に勝ちを収めたものの僅差での勝利であり、レアル・マドリーがアウェイで引き分ける予想外の結果もあったが、まだこの先の結果には大きく響くことのない全体的にゴール数の少ない寂しい開幕戦となった。

 さてこの開幕戦だが、昨季からの処罰を受けて初節から欠場することになった選手が13人いたほか、更にスペインスーパー杯の決勝で退場処分を受けたバルサのジェラール・ピケ、アスレチック・ビルバオのキケ・ソラも、欠場を余儀なくされることとなった。

 ピケの場合は4試合の欠場処分を受けることが決まり、レッドカードを出された理由は線審に暴言を吐いたからだと主審が後から書いたマッチレポートにあったという話だが、それは事実に反するとしてクラブは正式に不服申し立てを行なった。

 マッチレポートにはピケが線審に向かって相手の母親を侮辱するようなスラングを吐いたとあるが、「そういった事実はない」とバルサ側は主張しているわけだ。

 今回適用されたスペインサッカー協会が定めている規約94条には、「主審、副審、線審、第四審判及びスタジアム関係者に暴言を吐いたり、侮辱的な態度を取った場合は3試合から12試合の欠場処分を罰する」とある。

 つまり、ピケが主審の記したような言葉で暴言を吐いていなかったにしても線審が侮辱されたと感じたらこの規約は適用されるということになるわけで、正直その観点から見た場合、クラブが不服申し立てを行なっても処分が軽減されない可能性も高いのではないかと思う。

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