2人のレジェンドが歩んだ対照的なキャリア
5月24日の今季最終節を以て、プレミアリーグを代表するMF2名が母国イングランドでの現役生活に別れを告げた。スティーブン・ジェラードとフランク・ランパードの両ベテランだ。
ジェラードとランパードは、揃って昨夏のW杯を最後に身を引いた代表で「中央でのコンビは機能しない」と言われてきた。攻撃的な持ち味が似ていることが理由とされた。それぞれ35歳と37歳になる今年、「レギュラー」にこだわって選んだ新天地も同じアメリカのMLSだ。但し、プレミアでのキャリアは対照的とさえ言える。
ジェラードは言わずと知れたリバプール生え抜きの英雄。1998年に当時監督のジェラール・ウリエによって1軍に引き上げられた頃から、シュート、パス、タックルのどれをとっても迫力のある攻守万能なトップクラスとして将来を渇望されていた。
例えばカップ選手権三冠を達成した2001年、まだ20歳だったジェラードは、UEFAカップ(現EL)決勝で途中から命じられた右SB役を当たり前のようにこなしている。
【次ページ】リバプールの英雄に唯一欠けていた“プレミア優勝”