本職DFの選手がGKとして先発出場
サッカーの試合において、交代枠を使い切った後にGKが退場し、フィールドプレーヤーが急増GKとして出場するという場面はよくあることだ。しかし、試合開始から本職がGKでない選手がゴールを守ることはほとんどない。
しかし、21日に行われた皇后杯準々決勝のベガルタ仙台レディース対岡山湯郷Belleの一戦でそれは起こった。
仙台L戦の先発メンバーの中に本来正GKを務める福元美穂の名前はなく、本職はDFの谷口きくみがGKとして登録されていた。
試合は終始仙台Lのペースで進み、放ったシュートは驚異の44本。対する岡山湯郷が最初のシュートを放ったのは後半アディショナルタイム。2本目のシュートで1点を決めたものの、最終スコアは6-1と圧倒されてしまった。
ではなぜこんなことが起こったのだろうか。これにはいくつかの理由がある。
まず一つ目は皇后杯の選手登録に関する規定によるものだ。シーズン後半戦、岡山湯郷Belleには控えGKがいた。日本体育大学から10月に補強した青柳麻理鈴だ。しかし、皇后杯には登録されていなかったため、青柳はベンチ入りすらすることができない。
よって皇后杯の選手登録で岡山湯郷のGKは1人になってしまった。しかも一度登録してしまうと追加登録はできない。
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