驚きの人事。愛媛県に舞い降りた岡田武史
11月7日(金)午後、愛媛県庁内にある知事第二応接室には最近の日本サッカー界にはない「高揚感」が充満していた。この日は1998年フランスW杯、2010年南アフリカW杯で日本代表監督、札幌・横浜FM・杭州緑城(中国)と国内外でも指揮を執った名将・岡田武史氏(58歳)が中村時広知事を訪問。
しかも、ただの客人としてではなく、今治市をホームタウンとする今季四国リーグ3位「FC今治」のオーナー兼「後任決まるまで社長」(本人談)として挨拶にやってきたからである。
このほど、岡田武史氏は株式会社今治.夢スポーツの株式を51%取得。オーナーに就任していた。
「育成の上から下までが同じプレイスタイルを作って、その殻を破っていく方法まで同じメソッドでやっていく」
「今治のホームタウンは大切にしつつ、日本・アジアを見据えてやっていく」
「今治にお祭りがあるような雰囲気を作っていきたい」
「日本代表にウチの5人ほど選手が入って、日本代表のサッカーがウチのサッカーになれば」
オーナーの口からはJ創設当時の20年前を想起させる「夢のある話」が並ぶ。「これ以上ない朗報。まさか、愛媛県に来てくれるとは。個人的に嬉しい」。昨年末、J2愛媛の不甲斐ない成績に対し、厳しい言葉をかけた知事の声も弾んだ。
しかし、岡田氏はなぜ「愛媛県今治市」「四国リーグ所属チーム」をオーナー業のスタートに選んだのだろうか? 会談中は「(日本サッカー)協会に嫌われている」とブラックジョークを飛ばした岡田オーナーだが、直後の会見でその真意が明らかになった。