鹿島でポジションを失い、大きなチャレンジを決意
湘南ベルマーレのJ1昇格、徳島ヴォルティスのJ2降格が決まるなど、2014年Jリーグも佳境に突入している。シーズン終盤を迎えているのはタイプレミアリーグ(TPL)も同じ。
11月2日の最終節まであと3試合。優勝争いはチョンブリーとブリーラム・ユナイテッドの2強に絞られた感はあるが、元日本代表の岩政大樹が加わったBECテロ・サーサナも躍進を遂げた。残り3節の時点で彼らは首位・チョンブリーと勝ち点6差の4位につけている。
「昨季は7位で、その原動力となった外国人FWを引き抜かれたため、今季開幕前は相当に評価が低かった。陣容的にも優勝を狙うなんて到底ムリだと見られていた。そんな僕らが着実に順位を上げ、トヨタ・リーグカップでもブリーラムを下して13年ぶりのタイトルを取ることができた。
僕自身もリーグ戦は出場停止1試合を除いて全試合に出場して5点を取れたし、サッカー選手としてもう少しやっていける自信も取り戻せた。ここでやろうとしていたことはある程度できた」と現地で取材に応じた岩政は手ごたえを口にした。
2010年南アフリカW杯日本代表の一員で、ザッケローニ体制発足後もメンバーに名を連ねていた岩政が、2013年限りで10年間過ごした鹿島アントラーズを退団し、タイに渡る決断を下したことは、サッカー界全体に大きな驚きをもたらした。
「そのくらいビックリさせないと話題にならないでしょう」と本人は苦笑いしたが、昨季半年間スタメンを外されたショックが大胆な決断につながったという。
「自分がまだサッカー選手を続けていけるのかという不安はありました。もし鹿島で出続けていたら僕の性格上、タイへ飛び出すなんてことはできなかった。逆に言えばいいきっかけになったのかもしれない」と彼は努めて前向きに語っていた。