タイ最北の県に本拠地を置くチェンライ・ユナイテッド
タイの首都バンコクから北へ約800キロ、飛行機を利用すれば約1時間20分。ミャンマーやラオスとも国境を接するタイ最北の県チェンライに、タイプレミアリーグのチェンライ・ユナイテッドが本拠地を置いている。2009年の創設後、ディビジョン2、ディビジョン1をそれぞれ1シーズンで昇格。現在、トップリーグで4シーズン目を迎えている。
このチェンライ・ユナイテッドのフロントに昨年から入り、今年はゼネラル・マネージャー(GM)として奮闘しているのが、日本人の鈴木勇輝氏(29歳)だ。
鈴木氏は静岡県浜松市出身。元々サッカーが好きで、高校卒業後にアメリカへ渡り、大学でスポーツ・マネジメントを学んだ。だが、すぐにスポーツの世界に入り込めたわけではなかった。「大学卒業後、サッカークラブで働きたいとずっと仕事を探していました。でも、すぐにスポーツ関係の仕事は見つからなかったです。生活をつなぐために現地の一般企業に勤めながら、探しました」
その後、日本に帰国してフットサルのFリーグ・アグレミーナ浜松に1年ほど勤務。そんな中、2012年、タイで開催されたフットサルW杯を観戦に訪れる。タイプレミアリーグの試合も見る機会があり、タイに興味を持つようになる。
「自分のCV(履歴書)は世界中のチームに送っていました。タイのチームにも送って、その中でチェンライ・ユナイテッドが一番初めに興味を持ってくれました」。コネクションも何もない中で、固いドアをこじ開けるようにして掴んだチャンス。でも、そこはタイ。すんなり決まったわけではない。CVに対する返事が来たのは数カ月後、2013年になってからだった。