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跳ね上がる金額、使途不明金、スカパーの撤退。W杯放映権料ビジネスの闇に迫る

text by 藤江直人 photo by Getty Images

明らかにされない販売手数料の詳細

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78年アルゼンチンW杯から公式スポンサーを務めるコカ・コーラカンパニー【写真:Getty Images】

 1978年のアルゼンチン大会からW杯の公式パートナーを務めるコカ・コーラカンパニーと、国際サッカー連盟(FIFA)を引き合わせたのがダスラー氏だった。そして、電通は翌1979年に日本で開催された第2回ワールドユース選手権の大成功に舞台裏で尽力し、現在のU-20W杯に至る道筋をつけている。

 こうした事例からもFIFAと電通、FIFAとの公式パートナー契約を2030年まで延長したばかりのアディダスの絆がいかに深いかがわかる。ISLは2001年、キルヒ・メディアは翌2002年に経営破綻を起こして倒産したが、電通はISLから日本向けのW杯放映権を購入。2007年には、W杯を含むFIFA主催試合のアジア向け放映権も7年契約で購入し、現在に至っている。

 南アフリカ大会でJCが支払った250億円は、電通経由でFIFAに収められた。その過程で発生した「W杯放映権販売手数料」の詳細はいっさい明らかにされていない。日本を含めた全世界では2700億円もの放映権料が発生し、FIFAは2000億円を得たとされる。差額はどこに消えたのか。

 開催国に支払われる約100億円の大会運営分担金、総額で430億円に達した賞金などを差し引いてもまだ残る大金の使途や、ブラジル大会で賞金総額が586億円に、JCへの提示金額が400億円に跳ね上がった理由も然り。FIFAとその周辺企業は、完全なる伏魔殿と化している。

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