スペイン代表を熱望する声も
レアル・マドリーが湧いている。クリスティアーノ・ロナウドやガレス・ベイルに熱狂しているわけではない。ファンが目を輝かせて賞賛を送っているのは、今月末に21歳を迎える若きホープ、ヘセ・ロドリゲスだ。
古くはバレロン、現在ではシルバなどに代表されるテクニカルで美しいサッカーを伝統的に生み出してきたスペインのカナリア諸島出身だが、その才能は早くから開花し、14歳でマドリーのユース組織の門を叩いた。
ヘセは、ジョゼ・モウリーニョの置き土産の一人だ。カスティージャ(マドリーB)でデビューした初年、17歳だったヘセにモウリーニョが目をつけ、トップチームがプレシーズンを行ったアメリカ遠征に帯同させた。
とはいえ、今年の開幕時にヘセがこれだけ活躍するとは誰も想像していなかったし、マドリーとその周囲は、とりわけ、鳴り物入りでやってきたベイルを売るのに必死で、ヘセには殆ど目をくれていなかった。
それが今では、ブラジルW杯にヘセをスペイン代表に召集するべきか否かといった論議が交わされるほどになった。マドリーから、スペイン代表に少しでも多く選手を輩出したいというファンの気持ちは、クラブのプロジェクトとは相反するだけに切実だ。
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